映画『ホルテンさんのはじめての冒険』

 ベント・ハーメル監督の映画『ホルテンさんのはじめての冒険』(2007年、ノルウェー、90分、カラー、ヴィスタ)をシネツイン1で観た。ノルウェーの首都オスロからベルゲンまでを結ぶベルゲン急行の運転士を務める67歳のホルテンさんが主人公である。
 冬のノルウェーの山岳地帯を走る列車、運転室から見える前方の線路、終着駅のベルゲンの定宿になっているホテル、そのホテルの女主人との長い交流。
 介護施設で老後を過ごす母を訪れるホルテンさん。
 この道40年の優等運転士ホルテンさんがもうすぐ定年を迎える。
 しかし、退職する日の運転する列車に乗り遅れてしまうことになるのだが・・・。
 そこから、ホルテンさんの日常から脱線した小さな「冒険」が始まるのだった。
 淡々とした物語のユーモアは、同じ北欧でフィンランドの監督アキ・カウリスマキの映画に近い味わいがあるような気がする。
 凍りついた坂道を尻餅をついたまま滑り落ちてゆくカバンを持った紳士。
 オスロのスキー・ジャンプ台から夜、スキーでジャンプする主人公。