ケベックの映画、ジャン=フランソワ・プリオ監督『大いなる休暇』(2003年、110分、カラー、日本語字幕)を映像文化ライブラリーで観た。カナダのフランス語圏の映画である。
「ケベック映画祭2010」のうちの一本。
パンフレットに、
カナダ・ケベック州の小さな島を舞台に繰り広げられる、島民たちの騒動を描くコメディ。島を脅かす失業や医療問題、それに奔走する小さな島の人々の愛すべき嘘と誇りが、希望をもって生きるすばらしさを教えてくれる。2003年カンヌ映画祭監督週間クロージング作品として多くの人々に幸せな気持ちをもたらした。
島民たちが生活保護で島での生活を続けている。それではいけないと、島民が働ける企業を誘致しようと活動をする。その会社側の条件が医師が島にいることを挙げているのだった。
島には医師が住んでいない。
本土からこの島に住んでもいいという医師を連れて来るために、募集する。
一人見つかり、彼の好きな趣味などを調べて気に入られようと涙ぐましい大芝居を島民全員でやって行く。医師がクリケットに興味があると聞けば、クリケットの試合をやっているところを島にやって来た医師に見せつける。だが、だれもクリケットの試合をしたこともなければ知識もないので、頓珍漢な試合を島民たちがするのだった。
そのしぐさが可笑しくて館内は大爆笑。
島民は医師と工場進出を計画している会社幹部とを説得するために嘘の大芝居を打つ、その騒動がドタバタ喜劇になるのだった。ラストは気持ちのよい後味でエンドマーク。
このカナダの医師がいない島の島民たちの騒動を描いたコメディを観ていて、ふと西川美和監督の『ディア・ドクター』を連想した。