梅雨明け

 12日から14日にかけて雨が降った。梅雨明け前の集中豪雨的な雨だった。
 14日の未明から夜明けまえに雷鳴が聞こえた。
 17日に今年の梅雨明け宣言があった。
 今日は、青空に白い雲。陽射しが強く照りつける。まだ蝉の声は聞こえない。
 公園の池のハスの葉を見ると、クロイトトンボがいた。
 尾の先が青い色をしている。青紋(あおもん)糸トンボ。
 まるで青い宝石のようなみずみずしさがある。
 三センチほどの大きさだ。数センチまでにデジカメをそっと近づける。
 「蓮池の田風にしらむ葉裏かな」(蕪村)

 森本哲郎著『月は東に』を読みながら、面白いところに付箋を貼る。
 新潮文庫の帯に、《漱石の『草枕』は蕪村俳諧の小説化――豊富な知識と卓抜な推理が冴える生きた日本人論。》
 

それにしても、前に述べたように、漱石の作品のなかで一作をえらぶとしたなら、ぼくは文句なく『猫』を取る。  204ページ