梅雨の中休みの日、交通量の多い交差点の歩道脇のクローバーが帯のように広がっている中に、ミツバチが花から花へと蜜を求め飛び回っていた。
数センチまでデジカメを近づけても刺すこともなく、ミツバチは一心不乱に花の蜜を集めているのだった。穏やかな振る舞いのハチである。
膜翅(まくし)目ミツバチ科の、主にミツバチ属の昆虫の総称。体には毛が密生し、花粉や花蜜を集める。巣は蝋(ろう)を分泌して作り、大きい。社会性昆虫として有名で、一匹の女王バチ、少数の雄バチ、多数の働きバチから構成される。蜂蜜・蜜蝋などを採取するために普通飼養されるのはセイヨウミツバチで、黄色地に黒色の縞模様がある。
日本の野生種は黒色でやや小形。 『大辞泉』
近刊(7月)で、吉田健一著『交遊録』、福永光司著『荘子 内篇』に注目する。
6月5日に放送された、NHKのETV特集「続報 放射能汚染地図」と、その後につづいてETV特集「暗黒のかなたの光明 文明学者 梅棹忠夫がみた未来」があって、今を象徴する番組で興味深かった。
番組を観終わって、書棚から取り出したのが、福永光司著『荘子』(朝日新聞社)である。
「梅棹忠夫がみた未来」で、番組の進行を補うための解説(ナレーション)が、聞いていると主に梅棹忠夫の『わたしの生きがい論』からの引用であった。
「梅棹忠夫がみた未来」論には、福永光司著『荘子』からの影響がうかがわれる。
『わたしの生きがい論』で、福永光司氏についての梅棹さんの記述は、
わたしが老荘につよくひきつけられたのは、わが畏友、福永光司氏(京都大学人文科学研究所長)の著書を通じてである。かれの老荘研究のふかさは世にしられているところであるが、その著書『老子』および『荘子』三篇(註)の手びきがなければ、わたしはこれらの難解にして深遠な古典に接することはついになかったであろう。本書のなかにも、所々に老荘の影がさしこんでいるのに、読者は気がつかれるであろう。もっともそれは、福永氏の著書の誤読・曲解にもとづくもので、識者からみれば噴飯ものかもしれない。当然のことながら、誤解はすべてわたしの責任であることをあきらかにしたうえで、福永氏に対して感謝をささげたい。 5ページ
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