先日、雨上がりのハスの葉に丸く水滴が残っていた。
梅雨(つゆ)入りしてアジサイの花が咲く季節になっている。
9日、ウェス・アンダーソン監督の映画「グランド・ブダペスト・ホテル」を観た。
公開日が6日である。観客は多い。
スリリングなミステリー風のコメディタッチの演出がとても楽しめた。
画面のアスペクト比のサイズを、現代のシーン、六〇年代のシーン、三〇年代のシーンとで、画面のサイズを変えていた。
六〇年代がワイドなシネマスコープ。三〇年代がスタンダード・サイズというわけだ。
時代設定に合わせての変更である。スタンダード・サイズでは時代の雰囲気がよく出ている。
物語は現代から六〇年代、三〇年代とさかのぼって回顧的に進む。
主人公のホテルのコンシェルジュ(レイフ・ファインズ)がお得意様の伯爵夫人(ティルダ・スウィントン)の死で、遺言で高価な絵画の受取人にされたことから殺人の容疑者に疑われ、ホテルのベルボーイのゼロと二人で逃げる。
後半は、追う者と追われる者の追っかけごっこになる。そのスピード感あるショットの連続がすごい。
ちょっとばかりだが、フリッツ・ラング監督の「マン・ハント」や「死刑執行人もまた死す」や「恐怖省」や「外套と短剣」など反ナチス映画のナチスに追われるレジスタンスの恐怖を描いた場面を連想させるシーンもある。