極月やかたむけすつる枡のちり

 冬空で寒い。最高気温8℃、最低気温2℃。

 「極月(ごくげつ)やかたむけすつる枡(ます)のちり
 「極月の竃(かまど)火みゆる巷(ちまた)かな
 飯田蛇笏の俳句で、昭和六年(1931年)の句である。


 「本の雑誌」1月号で、「2014年度 私のベスト3」を見る。
 今年読んだ本のベスト3のアンケートを掲載している。
 北村薫氏が、三冊挙げている一冊が『翻訳問答 日本語と英語行ったり来たり』であった。
 この本は鴻巣友季子片岡義男の両氏が英語の翻訳をめぐり語っていて、私も興味深く読んだ本である。
 北村氏が挙げている他の二冊は、『初稿 山海評判記』泉鏡花作・小村雪岱画・田中励儀編(国書刊行会)と『あしたから出版社』島田潤一郎(晶文社)だった。

 小森収氏の挙げている一冊に、『〈喜劇映画〉を発明した男』マック・セネット(石野たき子訳・新野敏也監訳、作品社)があった。
 
 この冬、「ニューヨーク近代美術館映画コレクション」の映画が、「Fシネマ・プロジェクト」の一環として全国巡回されているのだが、映像文化ライブラリーで「短篇集」6作品の一本で、マック・セネット監督の映画「ツーリスト」(1912年、6分、白黒、無声)を観ることができた。マック・セネットがどのような映画人なのか知るのに必読の本になりますね。
 小森氏のコメントを一部引用すると、
 《セネットの自伝は、半世紀以上前の原著刊行だが、無類の面白さのうえに、本文に匹敵する分量の、監訳者による註と喜劇人小事典が、20世紀初頭のアメリカ風俗を詳細に伝えて、頭が下がる。メーベル・ノーマンドに対する純情にプチびっくり。》

翻訳問答 英語と日本語行ったり来たり

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初稿・山海評判記

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あしたから出版社 (就職しないで生きるには21)

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〈喜劇映画〉を発明した男──帝王マック・セネット、自らを語る

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