枯るるは枯れ青きは青き草小春

 サザンカ山茶花)の花が咲き、初冬の日の光を浴びている。紅い花びらが鮮やかだ。

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 「濃紅葉をさしはさみけり薮の家」

 「崖紅葉濃ゆきにひたと御堂あり」

 「黒ずみて強き紅葉や紅葉中」

 「枯るるは枯れ青きは青き草小春」

 松本たかしの昭和十二年(1937年)の俳句で、「鎌倉十二所 四句」という前書きがある。

 四句目の「枯るるは枯れ青きは青き草小春」の句は、小春という冬の季語があるので、鎌倉の十二所を立冬が過ぎて春のようなあたたかい日に詠んだ句であろうか。