バートランド・ラッセルの『怠惰への賛歌』

 1932年に書かれたバートランド・ラッセルの『怠惰への賛歌』(角川文庫)で、

 私が本当に腹からいいたいことは、仕事そのものは立派なものだという信念が、多くの害悪をこの世にもたらしているということと、幸福と繁栄に到る道は、組織的に仕事を減らしていくにあるということである。  9〜10頁  

 と、ラッセルは言う。このエッセイで、思いつきだとしながらもバートランド・ラッセルは一日4時間労働という社会制度を提案している。オランダでのワークシェアリングが、価値観の多様化に合わせた人生を送れるように、社会の仕組みを作り変えていく手段になっているとしたら、ラッセルの思いつきは今なお生きているのではないだろうか。