午前6時20分ごろ、下弦の月が南中していた。高度は85度くらいで、ほぼ天頂近くに月が眺められた。
明けの明星は確認できず。早朝の爽やかな風に吹かれ、青空に浮かぶ白い月を観望する。
夕方、書店に寄ると、発売予定日から何度も足を運んで探していた平凡社新書を見つけ買う。
山口昌男著『学問の春』。
平凡社新書のカバーの赤と白が、創刊10周年を機に、ブルーの地の中央に白い楕円にデザインが新しくなった。
この楕円は「広場」を象徴してデザインしたそうだ。カバー・デザインはどちらも菊地信義さんによるものです、とのこと。
カバー・デザインを眺めていると青空に浮かぶ月と見えなくもないかな?
8月の平凡社からの新刊書は注目の書が多い。
同じ平凡社新書に木村紀子著『原始日本語のおもかげ』。
「きのこ」のことを「たけ」と言うが、たとえば、まつたけ、なぜ「きのこ」のことを「たけ」というのか? 不思議だ。
子供の頃に初めて聞いた「きのこ」の名前で懐かしいのは、山で採れて乾燥させた「きのこ」が「こうたけ」と言っていた。香りの良い「きのこ」。
耳から入った音声が「こうたけ」であったり、「まつたけ」であったり、「しいたけ」であったり、「なめたけ」であったりと、幼い頃に聞いたのである。
「きのこ」とは言っていなかった気がする。
その辺の事情を、木村紀子著『原始日本語のおもかげ』は、「きのこ」と「たけ」の言葉から見えてくる「原始日本語のおもかげ」をめぐって興味深い話を語っている。
身近な言葉ひとつから、遥かな時空を飛び越えてゆくような、文字のなかったこの列島に生きていたひとびとの声や文化が聞こえてきますね。
もう一冊はブルーノ・ムナーリ著『ムナーリのことば』、訳者は阿部雅世さん。
これも手にとってみると、訳者によると、イタリア語の言葉遊びの部分は省いているようですね。
原題は、Verbale Scritto。割と薄い本で、ブルーノ・ムナーリの短文集でしょうか。
短い文にムナーリのひらめきを格言風に、やさしく述べています。
参照:『ムナーリのことば』http://heibonshatoday.blogspot.com/2009/08/blog-post_05.html

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