24日、マキノ正博『肉体の門』(1948年、吉本映画、87分、白黒)を観た。観客が多い。
キリスト教の教会が建っている。その近くにある敗戦直後の荒廃したビルに共同で住み懸命に生きる女たちの魂の救済に心を砕く牧師がいる。女たちのボス的な存在の女(轟夕起子)が懸命に生きる女たちとの友情や葛藤を熱演。仲間の女をリンチする場面の苦悩と葛藤が凄まじい。
田村泰次郎の同名小説の映画化。
つい最近広い店舗の本屋が姿を消していたが、映画館もここ数年をみても閉館が相次ぐ。
25日はマキノ雅弘『すっ飛び駕(かご)』(1952年、大映、98分、白黒)を夜の部で観た。
原作は子母沢寛の小説。撮影・宮川一夫。河内山宗俊(大河内伝次郎)が銭湯に浸かっているところに、獅子舞の被る幕に隠れて侍が追っ手から逃れるように銭湯へやって来る。
河内山宗俊が侍の事情を聴き、手助けをしてやろうとする。大河内伝次郎の重厚な演技が見ごたえがある。ラストの河内山宗俊が歩いて行くシーン。提灯を持った追っ手がじりじりにじり寄って来る場面、悲壮なラストが印象的だった。
映画へ行く道中、電車で奥泉光著『石の来歴』所収の「三つ目の鯰」を読み継ぐ。
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