『文學界』2月号から2

 寒に入って晴れ間がつづく。最高気温12℃、最低気温3℃。乾燥している。
 山野を歩くと風もなく穏やかでヤブツバキの花が見られた。
 花弁(はなびら)を見ると、五弁花で雄しべが密集し葉はつやつやとしている。

 『文學界』2月号の「まだ十五歳でしかない彼女の伏し目がちなクローズアップの途方もない美しさについて ──山中貞雄監督『河内山宗俊』」(蓮實重彦)は、アメリカの西部劇映画から学んだ山中貞雄の演出の妙を語っている。
 そして、冒頭に、映画『河内山宗俊』(1936年)の雪の降るシーンの素晴らしさにふれていた。
 映画『河内山宗俊』は、夜の雪の降るシーンと朝の雪の積もったシーンが、蓮實さんの言うように《映画の歴史でもっとも美しく、もっとも心に浸みる瞬間をかたちづくっている。》とわたしも思いますね。
 この撮影は町井晴美が担当しています。