今月の特集「家族の肖像 ホームドラマの軌跡」から、小津安二郎監督の映画『秋日和』(1960年、松竹、128分、カラー)を観る。
出演は、原節子、司葉子、岡田茉莉子、佐田啓二、佐分利信、中村伸郎、北竜二、沢村貞子、三宅邦子、笠智衆、渡辺文雄、高橋とよ、岩下志麻、南美江、十朱久雄。撮影は厚田雄春。
10月プログラムより引用。
夫を亡くした秋子と娘のアヤ子。アヤ子の結婚を心配する周囲の人々は、まず母の秋子を再婚させてから、娘の縁談を進めようとする。同じ小津監督の「晩春」の母親版ともいえる設定で、結婚をめぐる母と娘の気持ちを描く。
間宮(佐分利信)、田口(中村伸郎)、平山(北竜二)の三人は、学生時代の旧友三輪の七回忌で集まった。
その席で、夫の三輪を亡くした秋子(原節子)と娘のアヤ子(司葉子)に会った。
田口がいい話があると娘のアヤ子に結婚話を持ちかける。
三人の三輪の旧友が狂言回し役で、物語が展開する。
後半、三輪の兄の周吉(笠智衆)の経営する旅館に、家族旅行で秋子とアヤ子が泊まる。
秋日和ののどかな伊香保の景色が広がっている。
アヤ子と後藤(佐田啓二)の結婚式の後、間宮(佐分利信)、田口(中村伸郎)、平山(北竜二)の三人が集まって酒を飲んでいる席で、田口がああ面白かった、というのが印象的だった。
以前、NHK教育テレビの「知る楽 こだわり人物伝 小津安二郎は落語だ!」という番組で、語り手の立川志らくによるマニアックな小津安二郎の作品論があった。
そのことを思い出しながら『秋日和』を観る。