本はどのように変わっていくのか

 編集グループSUREの本の新刊で、津野海太郎著『本はどのように変わっていくのか』を読みました。津野さんの『最後の読書』という本が面白かったので、この本にも注目していたのです。

 《本が売れなくなった、と言われはじめて、ずいぶん経っています。少なくとも、僕がこの世界に職業的に加わって三〇年余りのあいだは、ずっと、そう言っている。

 たしかに、それは深刻です。でも、同時に、どうやら僕たちは本との付きあいというものをこれからも当分、やめることはなさそうだ。だとしたら、本というものをめぐって、いったいこれから、どういったことが変わっていくのか。それを考えたいと思って、きょうは、本をめぐる大ベテラン、評論家であり編集者でもある津野さんに講義をお願いしました。》(司会の黒川創さん)

 評論家、出版業、出版取次業、書店員、編集者、作家といった参加者八人での討議を本にしたものです。

 津野さんが植草甚一の本を晶文社でつくるとき、『雨降りだからミステリーでも勉強しよう』というタイトルをめぐる植草甚一とのタイトル決定のエピソードを語っています。

 《誰かに言われてそうするのではなく、自分が関心を持った世界に自発的に突っ込んでいく。そういう行為を彼はいつも「勉強」と呼んでいた。》

 これからの「勉強」へ、をめぐって津野さんは、

 《鶴見さんも植草さんも、そういう勉強のモデルになると思うけれど、もっと若い人でも、たとえばブレイディみかこさんね。》

 と、ブレイディみかこさんに注目している。

 そういえば、『波』7月号の表紙の写真が、なんとブレイディみかこさんであった。

ブレイディみかこ著『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の刊行記念特集として、三浦しをん高橋源一郎の書評が載っている。

 編集グループSURE

http://www.groupsure.net/post_item.php?type=books&page=190512Bookman

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

 

 

雨降りだからミステリーでも勉強しよう (1972年)

雨降りだからミステリーでも勉強しよう (1972年)