編集グループSUREの本の新刊で、津野海太郎著『本はどのように変わっていくのか』を読みました。津野さんの『最後の読書』という本が面白かったので、この本にも注目していたのです。
《本が売れなくなった、と言われはじめて、ずいぶん経っています。少なくとも、僕がこの世界に職業的に加わって三〇年余りのあいだは、ずっと、そう言っている。
たしかに、それは深刻です。でも、同時に、どうやら僕たちは本との付きあいというものをこれからも当分、やめることはなさそうだ。だとしたら、本というものをめぐって、いったいこれから、どういったことが変わっていくのか。それを考えたいと思って、きょうは、本をめぐる大ベテラン、評論家であり編集者でもある津野さんに講義をお願いしました。》(司会の黒川創さん)
評論家、出版業、出版取次業、書店員、編集者、作家といった参加者八人での討議を本にしたものです。
津野さんが植草甚一の本を晶文社でつくるとき、『雨降りだからミステリーでも勉強しよう』というタイトルをめぐる植草甚一とのタイトル決定のエピソードを語っています。
《誰かに言われてそうするのではなく、自分が関心を持った世界に自発的に突っ込んでいく。そういう行為を彼はいつも「勉強」と呼んでいた。》
これからの「勉強」へ、をめぐって津野さんは、
《鶴見さんも植草さんも、そういう勉強のモデルになると思うけれど、もっと若い人でも、たとえばブレイディみかこさんね。》
と、ブレイディみかこさんに注目している。
そういえば、『波』7月号の表紙の写真が、なんとブレイディみかこさんであった。
ブレイディみかこ著『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の刊行記念特集として、三浦しをんと高橋源一郎の書評が載っている。
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