映画「リカルド・レイスの死の年」



 

 「フィルムデーズ2022 映画でつながるヨーロッパ」映画祭の一本、ジョアン・ボテーリョ監督の映画「リカルド・レイスの死の年」(2020年、ポルトガル、132分、白黒・カラー Blu-ray)を鑑賞。
 原題:O Ano da Morte de Ricardo Reis/The Year of the Death of Ricardo Reis.
 字幕は日本語と英語の字幕。
 

 

リカルド・レイスは友人フェルナンド・ペソアの訃報に接し、リオデジャネイロから16年ぶりに帰郷。欧州にファシズムが台頭し、ポルトガルでも独裁体制が敷かれ始めた時代。そんな鉛色の時代にレイスは現実と夢想が溶け合ったかのようなリスボンを彷徨い、白昼夢のような光景のなかでペソアと邂逅する。今年生誕100年のノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの同名小説の映画化。

 

 

 白黒(モノクロ)映画。冒頭、雨のリスボンの街。道行く人々。昔、政治的な理由からブラジルへ逃れた男が16年ぶりにポルトガルへ帰って来た。主人公のリカルド・レイスである。彼はリスボンのホテルに滞在する。同宿していた裕福な親子と知り合う。父親と娘の親子。娘は腕が痛むと訴え、医師のレイスに診てもらい親しくなる。ホテルのメイドともレイスは親しくなる。レイスはペソアの亡霊とホテルの部屋で会話をする。白昼夢のような幻想的なシーンが印象的だ。

 上映前に、ポルトガル大使館の女性からこの作品について解説があった。この映画をめぐり、1936年のポルトガル社会の政治的な状況、フェルナンド・ペソアについて詳しく当時の時代背景が話された。映画の上映後に、再びこの映画「リカルド・レイスの死の年」の撮影されたリスボンの街のロケ地の説明があった。説明をされた方はこの映画の日本語字幕を担当されたという。

 

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