2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「スマホ時代の映画体験」

公園の山茶花(さざんか)に白い花が咲いている。ツバキ科の常緑小高木で葉が艶々としている。高さ5メートルほど。 そばの草地にハコベが生(は)えていた。春の七草の一つです。 「芹摘(せりつみ)に渡る我等を鳰(にお)が見る」*1 「芹摘の一人二人を鳰…

心萎(こころな)えしとき箸逃ぐる海鼠かな

晴れて、暖かく乾燥している。最高気温13℃、最低気温2℃。 街路樹にウラジロガシ(裏白樫)を見つけました。冬のこの時期はもうドングリは見られません。 葉の裏側が白いですね。 ブナ科の常緑高木。本州中部以南の山地に自生。葉は長楕円形で、先半分の縁…

マノエル・ド・オリヴェイラ監督の『レステロの老人』

「マノエル・ド・オリヴェイラ監督追悼特集」から遺作になった作品と監督第一作を観た。 『レステロの老人』(2014年、19分、カラー、Bru-ray、日本語字幕)と『アニキ・ボボ』(1942年、71分、白黒、35ミリ、日本語字幕)の二本である。 『レ…

「本の窓」2月号から

「本の窓」2月号を入手しました。「自著を語る」で、堀江敏幸『音の糸』「言葉を巻くボビン」を目にしました。小学館の新刊です。 「新刊展望」12月号では発売日が11月24日でしたが、今月1月26日発売予定となっています。 偶然かもしれませんが、…

渋谷実監督の映画『本日休診』

夏目漱石をはじめ、森鷗外、志賀直哉、島崎藤村など、著名な作家の小説を映画化した作品を特集します。上映作品は、漱石文学を松田優作の主演で映画化した「それから」、島崎藤村の名作を新藤兼人が脚色し、吉村公三郎監督が時代考証にこだわりを見せた「夜…

寒を盈(み)つ月金剛のみどりかな

20日は二十四節気のひとつの大寒です。 晴れて強い西風が吹き、最高気温10℃、最低気温3℃。 一年でもっとも寒い時期ですが、枇杷(びわ)の花が咲いていました。バラ科の常緑高木でほんのりとした残り香があります。 「寒を盈(み)つ月金剛のみどりかな…

生誕百五十年

先日、「波」2016年12月号の江藤淳の講演「為替と念書――『漱石とその時代』余話」を読んだ。 1993年11月12日の紀伊國屋ホールでの講演採録を掲載している。講演が面白かった。 昨年の十二月九日が漱石没後百年。今年の二月で生誕百五十年を迎…

いくたびも雪の深さを尋ねけり

14日、晴れて日差しが強く気温は低かった。最高気温5℃、最低気温1℃。 北風に牡丹雪が舞う。夕方にかけて本格的に降り出した。数時間後に地面があっという間に雪景色になっていた。 建物から出ると、灰色の空に雪の乱舞にあおられてカラスの群れが舞って…

「ブローティガンと俳句の関係」を読む2

晴れた。最高気温10℃、最低気温3℃。北風が吹く。乾燥した空気である。 夕方、西南西の空に金星が眺められた。濃い青色を背景に美しく、見上げるほどに高く輝いている。 そして、晴れ上がった夕空でひときわ目立つ。 東の空には丸くなった大きな月が眺めら…

「ブローティガンと俳句の関係」を読む

岩波書店のPR誌「図書」1月号の池澤夏樹の連載「詩のなぐさめ」で「ブローティガンと俳句の関係」を読んだ。 池澤さんが、一九七六年の話を書いている。 当時、アテネで暮らしていたそうだ。*1 一部引用すると、 ぼくはほとんど詩人であるこの作家が好きに…

伝奇時代小説「乱菊物語」のこと

昨年(2016年)の新刊の池澤夏樹=個人編集「日本文学全集 谷崎潤一郎」の池澤夏樹の解説が面白かった。 伝奇時代小説「乱菊物語」を、この巻のために選んだ理由を説明している箇所と「乱菊物語」の大阪朝日新聞連載中断の理由で、畏友・辻原登から聞いた…

三ヶ日過ぎたる鯖の味噌煮かな

三が日は晴天に恵まれました。最高気温は13℃から15℃ほどであったが、空気は乾いていた。 天気がよく風もなくのどかに冬の渡り鳥のヒドリガモなどが川に群れているのだった。 ピューピューという鳴き声はなくて、静かな日だまり。 5日は二十四節気のひと…

正月と小説の話

あけましておめでとうございます。 朝はお雑煮とお屠蘇で正月らしい気分になった。 お雑煮は丸餅と蛤(はまぐり)と蒲鉾と三つ葉が入っている。汁は澄ましである。 初詣に神社仏閣へ出かける。道中、電車で長嶋有の小説「ジャージの二人」を読む。 昨年から…