「トシヨリ生活の愉しみ」というサブタイトルがある中野翠さんの書下ろし新刊本を手にしています。タイトルは『いくつになっても』です。
《森茉莉、沢村貞子、対極にあるような二人。その間で揺れている私。うーん・・・・・・やっぱり私は、ぐうたら三昧の森茉莉さん寄りか。》
プロローグ 茉莉さんと貞子さん
アッパレな先輩たち
美老人への道
おすすめ老人映画
バアサン・ファッション
老後の愉しみ
最後まで一人を愉しむ
エピローグ
巻末のエピローグに、文藝春秋の藤田淑子さんから「シニア生活の愉しみ、といった本を作りませんか?」という提案をいただいて、書き始めたそうです。
《書きながら、たびたび思ったことは、トシヨリというのは世間の中心からハズレた存在だけに、アナーキーであることが案外、許されるんじゃないの? 子ども同様、大目に見られるんじゃないの? 分別に凝り固まって、自分を抑えて生きて来た人たちでも、トシヨリともなれば、「お役目ごくろうさん」というわけで、もはや怖いもの無しというふうになってもいいんじゃないの?――ということなのだった。(はた迷惑にならない程度に)自分を解放したい。してもいいと思う。
というわけで、子ども時代に好きだったことの「復習」のような提案が多くなりました。歳をとるってこと、私にとっては「子ども・・・・・・ただし知恵ある子どもに戻ること」のようです。》