2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

日本語に主語はいらない

『わたしのこだわり――仕事・モノ・コト・人生の流儀』は、『図書』二〇〇六年六月号から二〇〇八年十二月号に連載された三十人のエッセイをまとめた本である。 「禁止事項を作る」というタイトルで川本三郎さんが書いている。 、ものを書くようになったのは…

山藤の雲がかりしてさきにけり

曇り、最高気温24℃、最低気温15℃。空気が乾いている。 藤棚に垂れ下がった紫色の藤の花が満開になった。 ツツジも満開で咲き誇っている。 マメ科の蔓性(つるせい)の落葉低木。山野に自生し、つるは右巻き。葉は卵形の小葉からなる羽状複葉。五月ごろ、…

座談会から

「文學界」2015年5月号が総力特集「映画の狂宴」で、蓮實重彦、青山真治、阿部和重の各氏による座談会「映画三狂人、アメリカ映画を大いに語る」にウェス・アンダーソン監督を取り上げていた。 一部引用すると、 阿部 最近のアメリカ映画で、「これだ」…

春老ひてたんぽゝの花吹けば散る

道端のタンポポの花の種が、風に吹かれて飛び去ろうとしている。 「春老ひてたんぽゝの花吹けば散る」 正岡子規の明治二十六年の俳句である。 もう一句、「蒲公英やボール轉げて通りけり」 この句は、明治三十五年(1902年)の句、「轉げて」は「転げて…

アシュレイ・モンターギュ著『ネオテニー』のこと

新刊の尾本恵市著『ヒトはいかにして生まれたか』で、アシュレイ・モンターギュにふれていた。 アシュレイ・モンターギュの本で面白かったのが、どうぶつ社から出た翻訳本である。 『ネオテニー』というタイトルの本ですが、これを購入したのは、NHKのラジオ…

葉櫻はつまらぬものよ隅田川

20日、曇る。二十四節気のひとつ穀雨であった。穀物をうるおす春雨という意味のようです。 22日、快晴で最高気温22℃、最低気温10℃。風が乾いているのでさわやかだ。 ツツジが満開の季節になった。桜はソメイヨシノが葉桜になる。 「葉櫻はつまらぬも…

阿部豊監督の映画『細雪』

4月は女性が主人公であったり、重要な役割を占める作品が、「特集・文芸映画のヒロインたち」と題して映像文化ライブラリーで上映された。その中の一本。 阿部豊監督の映画『細雪』(1950年、新東宝、白黒、141分)を鑑賞。 昭和25年5月公開映画…

風呂場で読む本

二十四節気のひとつ清明が5日であった。ひと雨ごとに草木の緑が新しくなる。 快晴で空気が乾燥している。最高気温21℃、最低気温12℃。 青空に山吹の花が咲き始めた。 クローバーの花にモンシロチョウを見つける。 幅允孝(はばよしたか)著『本なんて読…

限りなき春の風なり馬の上

桜のソメイヨシノが散って、枝に若葉が見られる季節になった。 ソメイヨシノの花のあとは、八重桜が咲き出した。 山野に、淡紫色の花で、コバノミツバツツジが見頃だ。いい季節である。山から休み休みウグイスも鳴いている! 最高気温19℃、最低気温9℃。曇…

尼寺や卯月八日の白躑躅

ツツジが咲き出した。 「尼寺や卯月八日の白躑躅」 昭和二年(1927年)の飯田蛇笏の俳句である。 四月八日は釈迦の誕生を祝う花祭りで、白い躑躅(ツツジ)の花が尼寺に咲いているよ。 4月5日の東京新聞で堀切直人氏による山口昌男著『菊谷栄とエノケ…

李香蘭の未発表レコードから

《李香蘭の未発表レコード・・・録音、近く発売へ》という見出しの読売新聞の11日の記事(ネット)から引用。 《山口さんが「李香蘭」として、第2次世界大戦中に録音した2曲が収録されており、戦後70年を経て、近く発売される。 レコードは試聴用で、…

『女王陛下の阿房船』

晴れる。最高気温21℃、最低気温11℃。北よりの乾燥した風が吹く。 久しぶりに公園の池に寄る。睡蓮(スイレン)が鏡のような水面に若い葉を浮かばせていた。空の雲が池に映(うつ)っている。水中に魚群が見られた。ほかに鯰(なまず)が一匹動いている。…

四ツ橋やどろ舟遅々とはるの昼

ツツジが咲き出したが、まだ多くのツツジはつぼみである。 ツツジ科ツツジ属の植物の総称。常緑または落葉性の低木。まれに小高木もある。よく分枝し、枝や葉に毛がある。春から夏、白・紅・紫色などの漏斗形で先の五裂した花が咲く。園芸種も多く、ヤマツツ…

風に乗つて軽くのし行く燕かな

3日の春雨で満開の桜が散った。 5日は二十四節気のひとつ清明で、春分から十五日目だ。曇り、気温21℃、最低気温16℃。 渡り鳥のヒドリガモが川から姿を消した。北へ向かって飛び立ったのだ。 入れ替わるかのように燕がやって来た。場所をめぐって鳥たち…

春雨や柳の下をぬれて行く

「波」4月号の森まゆみの連載「子規の音」第十五回を読む。 明治二十七年の子規を描いている。 二月一日、「小日本」の編集責任者となった子規は夏目漱石の俳句を掲載した。 森まゆみさんの文から一部引用すると、 《二十六号に初めて漱石の俳句が載る。「…

桜と「年年歳歳」

30日、快晴。最高気温21℃、最低気温10℃。快晴で乾燥している。 桜が満開で見頃を迎えた。 新刊で「日本文学100年の名作第8巻1984ー1993 薄情くじら」が池内紀・川本三郎・松田哲夫編で出ていた。 バブルが始まりかけ、やがてバブルになっ…