2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

寒梅に赤いマントを着て詣づ

曇天で、時々晴れ間が見える。最高気温10℃、最低気温4℃。 もうすぐ立春。不動院に安国寺恵瓊の墓を詣でる。慶長五年没。 紅梅が満開だった。花の香りがほんのりと漂って来た。 水仙の花も目を楽しませてくれる。 昭和十年(1935年)の中村汀女の俳句…

原武史の「鉄道ひとつばなし」特別版「父と鉄道」(下)

講談社のPR誌「本」2月号の原武史の「鉄道ひとつばなし」を読んだ。 特別版「父と鉄道」(下)で、1月号の「父と鉄道」(上)のつづきである。 一九四五年(昭和二十年)の空襲で芝区田村町(現・港区西新橋)の家が消失したことから、父は祖父や祖母らと…

枯蔓の太きところで切れてなし

晴れて、南西の風が吹く。寒波が去って冬日和である。 山道にツワブキの花が生えていて、花が綿毛になっていた。 風が吹くと今にも飛んで行きそうだ。 「さし寄せし暗き鏡に息白し」 「枯蔓(かれづる)の抱きたる実を失くし居り」 「枯蔓の太きところで切れ…

名作の読み方

NHKラジオ深夜便で、「名作の読み方」を聴く。 ゲストに小池昌代さんが出演し、小島信夫の小説「抱擁家族」をめぐる談話が興味深かった。 「抱擁家族」という作品の登場人物についての小池さんの見立てが面白い。 その談話を聞いていると小島信夫の「抱擁家…

寒鮒の上を手渡す銀貨かな

23日、曇り。寒波が来襲するらしく北風が強かった。最高気温7℃、最低気温3℃。 厳しい北風に赤い南天の実がはっとする鮮やかさだ。 紅梅の花や南天の実が寒のあいだ目を楽しませる。 24日、この冬一番の冷え込みであった。最低気温−4℃、最高気温1℃。…

映画「山守クリップ工場の辺り」

中島悠喜監督のアニメーション「乱波」(2014年)の上映後、池田暁監督の映画「山守クリップ工場の辺り」(2013年、99分、カラー)を鑑賞する。 手作業でクリップを生産する工場、見たことも聞いたこともない飲食物、いつかもわからない時代設定。…

アニメーション「乱波」

1月20日〜24日、「PFFアワード・セレクション」の2013年と2014年の受賞作品の上映会が映像文化ライブラリーで開催されている。*1 22日、中島悠喜監督のアニメーション『乱波』(2014年準グランプリ、5分、カラー)を観た。 5分間の…

紅梅の蕾の中の花一つ

21日は、二十四節気のひとつ大寒であった。 薄曇で山に残雪が見られた。前夜からの雪のなごりであろうか。 最高気温7℃、最低気温0℃。 乾いた寒風が吹く。梅林の白梅は眠っているが、紅梅はもう満開だった。 「紅梅の蕾(つぼみ)の中の花一つ」 中村汀女…

『夢声戦中日記』から2

中公文庫版の徳川夢声著『夢声戦中日記』の昭和十七年五月四日の日記を話題にしています。 徳川夢声は、この日東京駅から九州へ鉄道で巡業の旅に出発します。 巡業に一緒に行く仲間が、「丸山章治、中村メイコ、チエコ、清水ミサ子」(日記より)です。 チエ…

『夢声戦中日記』から

年末から新年にかけて、徳川夢声著『夢声戦中日記』を読む。 『夢声戦中日記』は中公文庫版で、『夢声戦争日記』(全五巻、一九六〇年、中央公論社刊)を底本として、昭和十六年十二月より昭和二十年三月までの日記から主要記事を抜粋し再編集したものである…

『文學界』2月号から2

寒に入って晴れ間がつづく。最高気温12℃、最低気温3℃。乾燥している。 山野を歩くと風もなく穏やかでヤブツバキの花が見られた。 花弁(はなびら)を見ると、五弁花で雄しべが密集し葉はつやつやとしている。 『文學界』2月号の「まだ十五歳でしかない彼…

『文學界』2月号から

『文學界』2月号に、「追悼・野坂昭如」と「追悼・原節子」が掲載されている。 「追悼・野坂昭如」は、「食べてさえいれば」(山田詠美)であった。 「追悼・原節子」は、「まだ十五歳でしかない彼女の伏し目がちなクローズアップの途方もない美しさについ…

「追悼・高田宏さん 酒品のいい人」を読む

6日、曇り、最高気温11℃、最低気温5℃。 二十四節気のひとつ小寒であった。寒の入りで、寒さが厳しくなりはじめる頃である。 7日、晴れた。最高気温13℃、最低気温4℃。 山野に常緑樹のアセビの花が咲いていた。 新潮社のPR誌「波」1月号で「追悼・高…

水仙や寒き都のここかしこ

最高気温16℃、最低気温7℃。 もうすぐ二十四節気のひとつ小寒であるが、温暖である。 山野を歩くと、日当たりのいい土地に水仙が咲いていた。 水仙の花はまるで早春の風景である。 ヒガンバナ科の多年草。早春に、鱗茎(りんけい)から一本の花茎を出し、…

水鳥に人とどまれば夕日あり

師走がおおむね暖冬だった。元旦からも暖かい日がつづく。 3日、晴れる。最高気温15℃、最低気温5℃。 白い鳥の群れが鏡のような川面(かわも)に散らばって浮かんでいた。 渡り鳥のユリカモメのようだ。冬鳥である。 目の後ろに黒い斑点(はんてん)が見…