2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「新・話の泉」を聴く

街路樹の桑の木の若葉が茂っている。大きな木である。 夜、NHKラジオで「新・話の泉」を聴いた。毎月、最終月曜日にある番組だ。出演は立川談志、山藤章二、嵐山光三郎、毒蝮三太夫、松尾貴史で、今月は伊東四朗が参加している。司会が渡邊あゆみアナウンサ…

山に添ふて小舟漕ゆく若ば哉

橋の近くにあるセンダンの木に若葉が芽吹いていた。幹は太くて背の高い老木なのだが、毎年花が咲き丸い実が鈴なりになる。 蕪村の句に、「山に添ふて小舟漕ゆく若ば哉」。 高橋源一郎の『ニッポンの小説 百年の孤独』(文藝春秋)から「エピローグ――補講」を…

睡蓮の花

公園の池へ寄り道する。水面に睡蓮の花が見られた。 夕方、古書店の店頭ワゴンで、加藤秀俊『パチンコと日本人』(講談社現代新書)を買った。「エレクトロニクスを駆使する巨大産業に発展したパチンコの日本文化の集約ともいえる特質と魅力を柔軟な視点で分…

クスノキと樹の自由

快晴で風が強い。空気が乾いて肌寒い風である。あちこちにあるクスノキの新芽が生えて若葉に生(な)っている。新芽が出てくる時に、古い葉っぱが落ちるので、木の下の周りにはクスノキの無数の落葉が見られる。 この落葉は、移動できないものの「ひとつの能…

アリが友達――熊谷守一

通りの街路樹にあるアキグミの白い花が満開になっている。花弁が四枚あり、枝が花で覆われて白い霞のように見えるほどだ。 公園の池に寄り道してみた。まだハスは枯れたまま水面に眠っている。生き物といえば、メダカや鮒(フナ)がいた。 老舗書店で、講談…

講演「下り坂繁盛記」

夜NHKラジオ第二の文化講演会で、嵐山光三郎の「下り坂繁盛記」と題した講演を聴いた。2007年2月24日、東京日比谷公会堂で録音されたもので、嵐山光三郎の本を読んでおなじみの話なのだが、それ以上に本人のお話が面白かった。可笑しくて何度も笑った…

内山節『自由論』と小石の役割

四月二十日は二十四節気のひとつ穀雨であった。 穀物をうるおす春雨という意味があるらしい。昨日は雨は降らなかったが、南からの風が強かった。街路樹のクスノキの新緑の若葉が踊っていた。 内山節の『自由論』を読み終える。信濃毎日新聞に一九九五年一月…

アオサギとクスノキ

橋を渡っていると水際の石の上にアオサギが一羽いた。しばらく観察する。この辺の通りの街路樹にクスノキが多い。小さなつぼみが生っていて、若葉を指で摘むといい匂いがする。 ブックオフで、川本三郎の『シングル・デイズ』1988年第二刷(リクルート出…

マルチェッロ・アルジッリの『くじらをすきになった潜水艦』

通りにアキグミの木があり、枝の先から白い花が咲き始めていた。四枚で、一枚が二ミリ半ほどの小さな花びらだった。 高さが二十五メートルもあるメタセコイアの木にも、枝にみずみずしい若葉が芽吹いている。 ブックオフでマルチェッロ・アルジッリの『くじ…

桃花祭の舞楽を観る

夕方のフェリーで宮島へ渡る。厳島神社の桃花祭の舞楽を観に出かけた。 参道から見える海は潮が満ちつつあった。大鳥居が海中に見える。 神社の入り口から、暗闇の長い回廊を歩いて行く。高舞台を囲んで人垣が出来ていた。まだ舞楽は始まっていなかったので…

中野幡能の本のこと

中沢新一の『芸術人類学』*1から「山伏の発生」を読んでいると、中野幡能の名前が挙げられている。仁聞菩薩(ニンモンボサツ)にふれて、国東半島の「六郷満山」の山伏の抱いていた基本的な思考を推論している。 中野幡能の『古代国東文化の謎』という本で、…

飛び跳ねる数学者!

絵具に山吹色と呼ぶ色がある。山吹色といえば、大判・小判の金貨の色を指す言葉である。『大辞泉』の巻末のカラーチャートの「黄系の色」のところを眺めていると、色々な黄色い種類の色見本がある。その微妙な色の違いと名前とを興味深く見比べた。 鬱金色(…

『トウガラシのちいさな旅』のこと

ネギ畑にモンシロチョウがひらひら舞っていた。白い花びらがひらひら舞っている? と、ちょっと思ったりする。通りや公園の桜は、もう散りはじめているなあ。 新元良一の『翻訳文学ブックカフェ』(本の雑誌社)で、越川芳明と岸本佐知子のお二人へのインタ…

福田平八郎の絵

NHK教育テレビの「新日曜美術館」で、藤原正彦の語る福田平八郎の絵の魅力をめぐる番組を観た。作品は「雪」、「漣(さざなみ)」、「竹」、「鮎」、「初雪」、「雨」などに触れていた。もう一つ蛤の絵もあった。絵の構図が部分を切り取って、全体を暗示させ…

『阿呆旅行』

桜の花見を兼ねた散歩道にツツジがもう咲いていた。車道と車道の境に植えられたツツジがピンクや白の帯になっている。生垣にまだつぼみのままのツツジもあり、近くに寄って眺める。蕪村の句に、 つゝじ咲て片山里の飯白し 安永五年三月十四日の句である。 江…

ヒトはなぜ絵を描くのか

川を渡っていると岸辺に渡り鳥がいた。ヒドリガモの群れである。岸辺で餌を探しているようだ。少し離れて一羽の白いアオサギが浅瀬に立っていた。群れはゆっくりアオサギのいる水面へ隊列をつくって移動してゆく。滑らかな水面を舟のように進む。 蕪村の句に…

イタリア映画のこと

午前中は天気が荒れ模様だった。風と雨が吹き荒れる。そして、気温もぐんぐん下がって冬に戻った。にわか雨が何度かあったが、夕方には晴れ上がった。午後七時半ごろに金星が西の空に高く眺められた。 南西にオリオン座があり、南のシリウスなどと結んででき…

鳥たちの暮らし

お椀の形をした燕の巣が書店の入り口にあって、燕が餌を運んでいた。雛のくちばしが、お椀から見える。 夕方、川に面した遊歩道にあるベンチで休んでいると食べ物に惹かれてか、スズメの群れが近寄って来る。手に持っていたカステラを欲しがっているようなそ…

花冷えの頃とイタリア関連

黄砂で空が霞んだ一日だった。晴れているのだが、遠くの山並みが、薄いベールに包まれている。桜は満開だ。北からの風が強く吹いた。寒さがぶり返して、花冷えである。夜桜見物には防寒着が必要だろう。 ブックオフで、津野志摩子の『アガサ・クリスティーと…

燕を見る

どんより曇り空で、時折り霧雨もあった。 夕方、鳥の鳴く声がするので空を見上げると、ああやっぱりあの鳴き声だ。燕が高く飛び回っている。いつ、やって来たのか。この春、燕を初めて見る。 スズメ目ツバメ科の鳥。全長一七センチくらい。上面が黒く下面は…