2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ロイス・エイラトの『あかいはっぱ きいろいはっぱ』

「着物柄に見る戦争」展を、いづゝや2Fギャラリーで観る。 日清戦争や日露戦争から敗戦まで作られてきたが、敗戦とともに忘れられた「戦争柄」着物の実物が40点ほど展示されていた。 乾淑子編『図説着物柄にみる戦争』(インパクト出版会)に紹介された着…

映画『天然コケッコー』とアオハナムグリ

早朝、ゴーヤの実を見ている時に、ハナムグリを捕まえた。親指と人差し指で摘んでいると、力強く手足を動かして逃れようとする。 なかなか力の強い昆虫だ。摘んでいると、もぞもぞと暴れる。 そっと、鳴門金時のサツマイモの葉の上に置いてやると、じきに飛…

ステルンの『野生の樹木園』のこと

今夜のラジオ深夜便は、明石 勇アナウンサーの担当日である。ないとガイド「読書で豊かに」を聴いた。 今月のゲストは小池昌代さんや青山南さんではなく、詩人の阿部日奈子さんだった。阿部さんの紹介する本は三冊。 最初の一冊は、梶山季之の『族譜・李朝残…

虫売のかごとがましき朝寝哉

街路樹にザクロの実が鈴なりだった。 日中は最高気温が三十四度で南風が吹く。 夜半になって、虫の音(ね)が聞こえて来た。コオロギかな。 参照:「コオロギの鳴き声」http://www.nat-museum.sanda.hyogo.jp/wave/wav_korogi.html うーむ。どうやら、この鳴…

雲の峰に肘する酒呑童子かな

八月二十三日は二十四節気のひとつ処暑である。 暑さが徐々にしのぎやすくなる時期のことらしいが、日中は日差しも強く暑い。 入道雲が遠くに並んで眺められた。 蕪村の句に、 雲の峰に肘(ひじ)する酒呑童子(しゅてんどうじ)かな 安永六年の句である。丹…

上弦の月を眺める

昨日のNHKラジオの「あさいちばん」で、「中山間地を守る社会的意味は」と題した短い放送で、内山節氏の話を聴いた。聞き手は木村知義アナウンサー。 「たとえば、棚田でもそうですけれども、生産効率から言うと棚田っていうのは、決してそんなにいい場所で…

朝がほや一輪深き渕のいろ

早朝、アサガオが白、青と咲く。花は今が盛りである。日中にはしおれてしまう。 蕪村の句に、「朝がほや一輪深き渕のいろ」。明和五年七月四日の句である。 NHKテレビの「新日曜美術館」で「パルマ もうひとつのルネサンス」を観る。六月に放送された番組の…

「編集装丁家」田村義也氏

昨夜も熱帯夜だったが、テレビで京都の五山送り火を生中継している番組を、途中から観た。ゲストに山折哲雄が出演。 蕪村に、大文字の送り火を詠んだ句がある。 十六日の夕、加茂河の辺(ほと)りにあそぶ 大文字やあふみの空もたゞならね 今朝のまだ涼しい…

野尻抱影の『星の神話・伝説』のこと

連日の熱帯夜である。午前四時ごろ夜空を見上げる。 北の夜空に向かい、天頂付近にWの文字を逆にした形のカシオペヤ座が見られた。 付近は天の川で、星団が多い。星が密集しているのだった。地上では、まだ虫の鳴き声は聞こえて来ない。 星を眺めていると暑…

『夜中の乾杯』を木陰で

昨夜も熱帯夜。明け方は涼しくなるが、日中、気温がぐんぐん上がり、三十五度を越えた。 日中は空の青さが濃い。なんとなく秋を感じさせる空だ。 街路樹のクスノキ、ケヤキからアブラゼミの鳴き声が聞こえて来る。木陰のベンチで、携行していた飲料を飲む。…

横井也有の句のこと

夜が明けて、雲ひとつない青空である。猛暑の昼間を避けて、早朝に墓参りに出かける。道中に、青いアサガオに包まれた生垣の家があった。青空のような色のアサガオである。 途中、お店で「ホトケさんのお花」を買う。 佛への土産できたる花野かな 也有 多田…

多田道太郎の『新選俳句歳時記』のこと

夜が明け、しばらくすると蝉が鳴き始める。猛暑の一日が始まった。 橋を渡っているとき、竹の篊(ひび)のそばにコサギがいた。 公園の池に寄り道すると、咲いて散りかけのハスがあり、花托(かたく)が姿を現わしているのだった。まだ小さいけれども・・・…

ゆうがほに秋風そよぐみそぎ川

八日は二十四節気のひとつ、立秋だった。早朝の四時半ごろ東北東の空に月が昇っていた。 今日もうだるような暑さである。通りに植えられた夾竹桃が今を盛りに咲いていて、赤や白の花を付けているのが見られる。蕪村の句に、 ゆうがほに秋風そよぐみそぎ川 「…

これは、事件だ。中村宏「図画事件1953−2007」

朝から蝉が鳴きだす。蕪村の句に、 半日の閑(かん)を榎(えのき)やせみの声 明和三年六月二日の句である。 中村宏の「図画事件1953‐2007」の展覧会チラシが、知人から届く。ありがとう。 名古屋市美術館で開催中。七月二十一日〜九月十七日まで。…

マッカーサーを叱ったもうひとりの男

朝、八時十五分にサイレンが鳴る。一分間の黙祷。 NHKの番組で、「その時歴史が動いた」があるが、「マッカーサーを叱った男 〜白洲次郎・戦後復興への挑戦〜」というタイトルの番組を昨年(2006年)見たことがあった。 そのマッカーサーを叱った男が、…

動く葉もなくておそろし夏木立

午前五時半、南の空に高く、半月を見る。明日は下弦である。 夕方、蝉の声が樹木から降り注ぐ中を公園の池に寄り道した。ハスのつぼみが、葉と葉の間からにゅーっと、あちこちに伸びている。 蛙の鳴き声も池から聞こえて来る。 トンボが、ハスのつぼみにとま…

靉光 戦時下の自画像

正午過ぎには、昨夜から今日にかけての台風五号の風も弱まってきた。 うだるような暑さである。園芸店で中国野菜の苗を買う。 蕪村の句に、「居(すわ)りたる舟に寝てゐる暑さかな」。 夜、NHKテレビの「ふるさと発スペシャル」で、「時代を見つめる“眼”」 …

トクヴィルのこと

七月三十一日付けの「小栗康平・内山節の往復書簡」を読む。 うーむ。十九世紀のフランスのトクヴィルの『アメリカの民主主義』について、内山節の本でも述べられていたが、その見方が、なるほどねと納得するところがあった。 そのトクヴィルをめぐって、宇…