2019-01-01から1年間の記事一覧

いくつになっても

「トシヨリ生活の愉しみ」というサブタイトルがある中野翠さんの書下ろし新刊本を手にしています。タイトルは『いくつになっても』です。 《森茉莉、沢村貞子、対極にあるような二人。その間で揺れている私。うーん・・・・・・やっぱり私は、ぐうたら三昧の…

「今週の本棚」から

毎日新聞の日曜版で、「今週の本棚」に川本三郎さんが池内紀ファンにお勧めの本を紹介書評をしている。「この3冊」である。 1、『カフカの生涯』(池内紀著、白水社Uブックス) 2、『罪と罰の彼岸 【新版】 打ち負かされた者の克服の試み』(ジャン・ア…

左右より萩ひざまづく石に腰

ハギ(萩)の花が咲き、伸びた枝が風に吹かれていた。花は小さな蝶が集まっている風情だ。葉は三枚の楕円形の小さな葉で形をなしている。秋の七草。今が見頃です。 マメ科ハギ属の落葉低木の総称。山野に生え、葉は三枚の小葉からなる複葉。秋、蝶形の花を総…

おかき事件

晴れて残暑がつづく。最高気温34℃。百日紅(サルスベリ)の花が咲き出している。淡紅色で、青空を背にして風にゆれる。 ミソハギ科の落葉高木。高さ三~七メートル。幹は薄い紅紫色で皮ははげやすく、跡が白くなり、滑らか。葉は楕円形。夏から秋にかけて…

訃報におどろく

池内紀さんの訃報におどろく。 9月の筑摩書房の新刊で、注目したちくま文庫の一冊に、森毅著『森毅ベスト・エッセイ』がありました。その編者が池内紀さんでした。 最近、目にした雑誌「望星」9月号の対談「にっぽん そぞろ歩き」が、三ヵ月ごとの連載対談…

今月の新刊案内から

今月も書店で、「ちくま」9月号を頂きました。 いつものように筑摩書房の新刊案内を眺めています。 9月の新刊で、注目した一冊が森毅著『森毅ベスト・エッセイ』であります。 池内紀編とあるので、もしかしたら、以前、単行本で池内紀さんが編んだ『森毅の…

朝晩がしのぎやすくなる

朝晩がしのぎやすくなる。昼間はまだ残暑で、最高気温30℃。 ムクゲの大きな白い花が時折、風に吹かれゆれている。 アオイ科の落葉低木。高さ約三メートル。葉はほぼ卵形で、縁に粗いぎざぎざがある。夏から秋にかけて、紅紫色の五弁花が朝開き、夕方にしぼ…

朝のラジオを聴く

日曜の朝のラジオ番組で「サンデーエッセー」を聴く。 エッセイストの酒井順子さんが出演。エッセイと小説の違いは何かという最近考えていることを語っていて興味深かった。今、雑誌に連載している内田百間と宮脇俊三の評伝を書いていて、エッセイと小説の関…

耳で聴く文学談義

夜のNHKラジオの番組で、「作家・町田康のパンクな文学論2~古典はこう読め~」を放送していた。町田康のトーク番組で司会を渡邊あゆみ、ゲストに古川日出男、戌井昭人、大塚ひかりが出演。 今夜は「平家物語」、江戸時代の「東海道中膝栗毛」などをめぐり…

二つの対談

台風一過、まだまだ猛暑がつづく。 「望星」9月号の対談「にっぽん そぞろ歩き」が、「食の風景、喜怒哀楽」と題して池内紀と川本三郎の対談が三ヶ月ぶりに掲載されています。 立ち読みコーナーで冒頭の一部が読めます。 http://www.tokaiedu.co.jp/bosei/p…

ドロンちび丸

朝、小雨が降る。気温が下がって最高気温28℃。 ハクモクレン(白木蓮)のつぼみを見かけた。 戸川純著『ピーポー&メー』に杉浦茂マンガの解説が収録されていた。 「杉浦茂ワンダーランド」の「ドロンちび丸」の解説。 戸川純エッセー集 ピーポー&メー (el…

「ユリイカ」から

晴れる。最高気温35℃、最低気温27℃。熱帯夜で猛暑日がつづく。 「ユリイカ」2019年8月号を手にとってみると、特集=京マチ子でした。 「京マチ子 肉体の輝き」(川本三郎)、「女の脆さも靭さも」(中野翠) 対談 「京マチ子と日本の女優――戦後日本の肉…

カツベン!

先日、夏休み活弁シアター2019で、1933年(昭和8年)松竹キネマ(蒲田撮影所)の作品で、五所平之助監督の映画「伊豆の踊子」を活動弁士・佐々木亜希子さんの活弁で観た。 無声映画鑑賞会の発行する季刊夏「活狂」(カツキチ) No177。 周防正行…

五所平之助監督の映画「伊豆の踊子」

夏休み活弁シアター2019 昭和のはじめ頃の映画には音がありませんでした。 日本では、話芸の伝統を受け継ぎ、巧みな語り口で映画を説明する「活弁」が発達し、活動弁士は映画館のスターとして人気を集めました。 弁士の語りによって、映画は新たな輝きを…

8月新刊案内

岩波書店8月新刊案内のパンフレットを書店で頂いた。 これを読むと、来月(8月)、「岩波新書クラシックス限定復刊」として、一九五一年に刊行された林三郎著『太平洋戦争陸戦概史』という新書が復刊されるようです。 イタリア書房の本で、田之倉稔著『林…

諏訪優の『芥川龍之介の俳句を歩く』

最高気温31℃。曇り。まだ梅雨明け宣言が出ていない。 公園の池に睡蓮の葉が広がっている。葉の上に蛙(カエル)を発見。蛙に、まだ尾の一部が見られた。 七月二十四日といえば、河童忌である。 「たましひのたとへば秋のほたるかな」 昭和二年の飯田蛇笏の…

「ユリイカ」から

編集グループSUREの新刊で、津野海太郎著『本はどのように変わっていくのか』が、本というものをめぐって討議したものでしたが、「ユリイカ」6月臨時増刊号が、「書店の未来 本を愛するすべての人に」という特集号だった。 「誰のための書店」(柴野京子)…

本はどのように変わっていくのか

編集グループSUREの本の新刊で、津野海太郎著『本はどのように変わっていくのか』を読みました。津野さんの『最後の読書』という本が面白かったので、この本にも注目していたのです。 《本が売れなくなった、と言われはじめて、ずいぶん経っています。少なく…

映画「無限のガーデン」

EUFILMDAYS、「フィルムデーズ2019」 映画で旅するヨーロッパ 欧州連合(EU)加盟国各国の作品を一堂に上映する映画祭で、ブルガリア映画、ガリン・ストエフ監督の「無限のガーデン」(2017年、ブルガリア、90分、カラー、ブルガリア語、日本語・英…

映画「野生のルーマニア」

EUFILMDAYS、「フィルムデーズ2019」 映画で旅するヨーロッパ 欧州連合(EU)各国の作品を一堂に上映する映画祭で、トマス・バルトン=ハンフレイス監督のドキュメンタリー映画「野生のルーマニア」 (ルーマニア、英国、90分、カラー、ルーマニア語、…

映画「バルト・キングダム」

EUFILMDAYS、「フィルムデーズ2019」 映画で旅するヨーロッパ 欧州連合(EU)各国の作品を一堂に上映する映画祭の一本、アイガルス・グラウバ監督の「バルト・キングダム」(2018年、ラトビア、110分、カラー、英語、日本語字幕)を鑑賞。 13世…

映画「エッシャー 無限の旅」

EU FILMDAYS、「フィルムデーズ2019」 映画で旅するヨーロッパ 欧州連合(EU)各国の作品を一堂に上映する映画祭の一本、ロビン・ルッツ監督の映画「エッシャー 無限の旅」(2018年、オランダ、80分)を鑑賞。 2018年に生誕120周年を迎え、…

テレビ前夜

ツバキ科の常緑高木の椿(ツバキ)の実が膨らんできている。 実は球形でつやつやしている。葉も艶(つや)がある。実も葉も硬い。 「ちくま」と「図書」の7月号を手にとってみた。 「ちくま」の連載「絶滅危惧個人商店」(井上理津子)を読む。大田区梅屋敷…

新刊の広告

PR誌「一冊の本」7月号を入手しました。7月5日発売の新刊に、小林信彦の『アメリカと戦いながら日本映画を観た』というタイトルの本が出るようです。 戦時下をひとりの少年がどのように過ごし、感じ、そして敗戦を迎えたかを当時の映画の記録とともに克明…

「scripta」の連載を読む

紀伊國屋書店の「scripta」の新刊号、no.52を頂いた。年に四回の発行なので、今号は夏号になる。森まゆみの連載『30年後の「谷根千」』を読む。 三十年以上前の一九八六年十二月発行の豆腐屋特集号をめぐる話が興味深い。桐谷逸夫・エリザベス夫妻の今、…

PR誌、「scripta」

22日、夏至。最高気温29℃。湿度が低く、心地よい乾いた風が吹く。 蓮(ハス)の花が見ごろですね。 紀伊國屋書店のPR誌、「scripta」は年に四回の発行です。連載の記事では、「中古典ノスゝメ」(斎藤美奈子)、『30年後の「谷根千」』(森まゆみ)、…

敷石の真中を行き夏の猫

蓮(ハス)の花びらが散り、花托(かたく)にハスの種が見られます。 「雨蛙子に夕暮の戸を閉めて」 「敷石の真中を行き夏の猫」 「十薬を揺すぶり去りし夕蛾かな」 中村汀女の、昭和二十二年(1947年)の句です。

蓮の花と小説『猫の客』

蓮(ハス)が咲いている。見ごろだ。もうすぐ夏至である。 スイレン科の水生の多年草。根茎は節が多く、晩秋に末端部が肥厚し、蓮根(れんこん)といい、食用。葉は円形で長い柄をもち水上に出る。夏、水上に花茎を伸ばし、紅・淡紅・白色などの大きな花を開…

花菖蒲にシオカラトンボ

シオカラトンボが、花菖蒲(ハナショウブ)にいた。最接近すると飛び上がる。しばらくすると、舞い戻って来る。同じ場所へ戻る習性がある。 トンボ科の昆虫。中形で最も普通のトンボ。四~九月に現れ、成熟した雄は腹に青白粉を装う。雌は淡黄褐色でムギワラ…

夏椿と「著者からの手紙」

夏椿(ナツツバキ)の白い花が風にゆれていた。見ごろである。 花はツバキに似ているが、葉は似ていない。五弁花で、直径七センチほどの大きさだ。六月上旬から下旬が開花期になる。花は咲いてから一日で落花する。シャラノキともいう。 ツバキ科の落葉高木…