2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

腰を抜かした話

30日、大型書店に寄る。新刊でリチャード・ブローティガンの『芝生の復讐』(新潮文庫)を買う。解説は岸本佐知子さんで、「紀ノ国屋スーパーのリチャード・ブローティガン」と題した文で、ブローティガンの本と出合った時に「腰を抜かした」話を書いてい…

『グッドモーニング』

快晴であるが、寒の戻りのような気温だ。寒のころ甘い香りの白い花が咲いていた枇杷の木に、ドングリほどの果実を見る。 さいはてと読むのだろうか。 『ユリイカ』2008年4月号に掲載されている最果タヒの『グッドモーニング』からの詩を読んだ。 う、う…

溝口健二の『新・平家物語』

映像文化ライブラリーで溝口健二監督の映画『新・平家物語』(1955年)を観る。107分。 三月は溝口健二監督特集を開催している。市川雷蔵が主演で平清盛の若き日を演じていた。 カラー映画で、色がとてもきれいだ。深みのある色彩と京の街での群集の…

山守のひやめし寒きさくらかな

気象台の開花宣言がでた桜だが、ぼつぼつ咲き出したソメイヨシノを見かける。 この陽気だと週末から来週にかけて、花見の行楽で賑わうのではないかな。夜は冷え込む。 蕪村の句に、「山守(やまもり)のひやめし寒きさくらかな」。安永五年二月二〇日の句で…

うーん、どうなんだろう?

ツバキが満開で、見頃になった。地面にツバキの花がいくつかポトと、落ちている。 花弁が散らないままで・・・。 蕪村の句に、「あぢきなや椿落(おち)うづむにはたず(づ)み」。 今朝の朝日新聞で加藤典洋の「文芸時評」を読む。今月のタイトルは《「誰か…

物種の袋ぬらしつ春のあめ

昨日、ソメイヨシノのつぼみが紅色を帯びていた。まだ開花していなかった。午後から雨になり気温も下がる。夜半に止む。気象台からソメイヨシノの桜の開花宣言があった。 園芸店で山椒(サンショウ)の苗木を買う。 ミカン科の落葉低木。山地に自生。葉の付…

ジュリアン・シュナーベルの『潜水服は蝶の夢を見る』

2月の下旬から、シネツイン1で日仏交流150周年記念「フランスシネマ・フェスティバル」と称して、フランス映画を上映している。 夕方、その中から最終上映時間で、ジュリアン・シュナーベル監督の映画『潜水服は蝶の夢を見る』を観た。観客は思ったより…

ラジオ深夜便「読書で豊かに」を聴く

朝から春雨。春雨じゃ濡れて行こうか。ところが、夕方に大雨になる。それから夜半に雨あがる。 NHKの「ラジオ深夜便」で、今夜のないとガイド「読書で豊かに」は明石勇アナウンサーの担当日である。 先月は荒川洋治さんがゲストで出演していたが(最終回だっ…

杉本秀太郎「鉄斎のこと 須田さんのこと」を聴く

ラジオ深夜便の「こころの時代」を聴こうと思っていた。 だが、放送時間が午前四時過ぎからなので途中で眠ってしまった。 ところが、四時過ぎに目を覚ました。ラジオのスイッチを入れると、ちょうど「こころの時代」の番組が始まったところだった。 すぐに録…

「マダガスカル阿房列車」

遠くの山並みがくっきり眺められる。快晴で風はまだ肌寒いが、街路樹の桜の枝の先につぼみが、ほんのり紅色を帯びてきた。もうすぐ開花かな。 蕪村の句に、「さくら一木(ひとき)春に背(そむ)けるけはひかな」。安永四年二月十日の句。 マンボウこと北杜…

春分の夜

今日は二十四節気のひとつ春分。昨日は一日中の雨模様だったが、今日は朝から快晴で北風が冷たい一日だった。 街路樹のハクモクレン(白木蓮)が、いっせいに咲いている。見事だ。 全体が白い花で覆われ、湯呑み茶碗ほどのサイズの花が、枝とともに揺れてい…

アンジェリカ・ヒューストンのこと

先月、NHKラジオ深夜便の「読書で豊かに」という番組で荒川洋治さんが紹介していた、北村太郎の『光が射してくる』(港の人)を読みはじめる。 詩篇、エッセイ、読書案内の三つの文が収められている。533ページもある厚い本である。 二十代後半から三十代…

小さなパトロン

紅色の椿(ツバキ)が開花しかけている。近くを数日前から見かけるようになった紋白蝶が飛んでいた。 中国新聞で《「未知の世界探検したい」と題して池内紀さんが語る》という記事を読んだ。 カントの『永遠平和のために』を翻訳された池内さんが近況を語る…

「ダージリン急行」で紅茶を

15日から公開上映されている、ウェス・アンダーソン監督の映画『ダージリン急行』を観に出かけた。 サロンシネマ1で、最終上映時間に間に合った。観客は15人ほど。日本一広い座席というだけあって、前に足を伸ばしても前方にあるテーブルに足が到達しな…

海野弘の『日本図書館紀行』

晴れて気温があがる。通りすがりの家から桜の花が咲いているのが見えた。近づいて見ると桜ではなくて、いっせいに花開いた桃の花だった。ほんのりいい香りがする。 バラ科の落葉小高木。葉は細長くて先がとばり、縁に細かいぎざぎざがある。四月ごろ葉より早…

長新太の『よくばり たーこ』

朝から霧雨が降っていたが、午後になってじきに止んだ。つむじ風が吹き、北よりの風になり晴れる。 夕方、上弦の月が、夜半の晴れた夜空には北斗七星が眺められた。 ブックオフに寄り、以下の本を買う。 浅井ミノル・文/長新太・絵『よくばり たーこ』(「…

レモンと愛郷心

街路樹のハクモクレン(白木蓮)のつぼみが、じょじょに開きかけている。ビロードのような肌触りのつぼみの皮が、割れてきた。 昨年よりは開花は遅れているようだ。 『倉光弘己対談集』(KBI出版)から、多田道太郎との「気はどこからやって来たか」と題した…

丸元淑生さんのこと

川岸の浅瀬に一羽の白いコサギがいた。あまり見かけない鳥だ。 6日、作家・料理研究家の丸元淑生さんが亡くなられた。 参照:「おくやみ記事」http://www.jiji.com/jc/c?g=obt_date6&k=2008030600994 ご冥福をお祈りいたします。 丸元淑生さんといえば、栄…

「自然に親しむ」を聴く

街路樹の椿のつぼみが色づいて来た。ほんのり紅色をしている。 昨夜、ラジオ深夜便は明石勇アナウンサーの担当日であった。ないとガイド「自然に親しむ」を聴く。 今月は奇数月でゲストは内山節氏であった。群馬県上野村の近況から話が始まる。 神社仏閣の文…

読書用拡大機

川を渡っていると浅瀬の水面に渡り鳥の群れ、ヒドリガモがいた。海苔をついばんでいる。 月刊『PLAYBOY』4月号に「この人の書斎が見たい!」といった特集あり。この手の特集があると見るようにしている。その中で、吉本隆明氏の書斎写真があったので興味深…

梅咲ぬどれがむめやらうめじややら

二十四節気のひとつ啓蟄(けいちつ)が、今年は三月五日だった。白梅が見頃で、周辺は良い香りに包まれている。春が一足一足と近づいて来ている。 蕪村の明和八年(1771年)の句に、「風鳥(ふうてう)のくらひこぼしや梅のかぜ」。 もう一句、「梅咲(…

『林達夫・回想のイタリア旅行』について

正午前後に雨。のちに雨あがる。通りの街路樹に白梅が咲いている。 鼻を近づけると梅の花からよい香りがする。 蕪村の句に、「うめ折りて皺手(しはで)にかこつ薫(かをり)かな」。 安永三年の句である。 「本はねころんで」で、「林達夫 研究ノート」を読…

もったいない

川を渡っていると川面に渡り鳥を見る。久しぶりのヒドリガモである。岸辺に近い水面に群れが散開している。モーターボートが波をつくりながら走って来た。その巻き起こす波が群れのいる水面にやって来ると、驚いたかのように、鳥たちは舞い上がり遠くへ去っ…