2013-01-01から1年間の記事一覧

織田作之助著『夫婦善哉 正続 他十二篇』のこと

午前4時ごろ西の空の雲間に満月が眺められた。 23日は二十四節気のひとつ大暑である。 七十二候の自然の移り変わりでは、クマゼミ鳴き始め、松葉ボタン咲くとなっている。 アブラゼミは鳴いているが、クマゼミはまだ鳴いていないようだ。 公園の池にシオ…

ほろほろと朝雨こぼす土用かな

19日、土用の入り。最高気温34℃。最低気温25℃。晴れた。 21日まで朝晩の気温は変わらず。 土用とは、 雑節の一。一年に四回あり、立春・立夏・立秋・立冬の前各一八日間。立秋前の土用。丑(うし)の日に鰻(うなぎ)を食べる風習がある。 『大辞泉…

上製本『猫と庄造と二人のをんな』

シャレオ古本まつりで、谷崎潤一郎の上製本『猫と庄造と二人のをんな』(創元社)を見つける。 定価三十五円。昭和十二年七月二十五日初版発行。 昭和二十一年九月二十日再版発行。 安井曾太郎装釘挿画。 豊田四郎監督の映画『猫と庄造と二人のをんな』(1…

中村正常著『花嫁戯語』

シャレオ古本まつりで、中村正常著『花嫁戯語』を見つける。 奥付に、 昭和十五年十一月一日第三十一版 発行所、春陽堂文庫出版株式会社 定価 金四拾五銭 春陽堂文庫の一冊である。 昭和七年九月三十日が第一版。 挿絵入りである。 先日、『名短篇ほりだしも…

畔柳二美著『姉妹』のこと

シャレオ古本まつり二日目、畔柳二美著『姉妹』を見つける。 畔柳二美著『姉妹』は、先日鑑賞した家城巳代治監督の映画『姉妹』(1955年、中央映画、100分、白黒)の原作である。 新藤兼人と家城巳代治が脚色している。 本のサイズは、113ミリ×1…

安田武著『昭和 東京 私史』

8日、午前、梅雨明け宣言が出た。 街路樹のイチョウに実が生(な)っている。 「木の枝の瓦にさはる暑さかな」、芥川龍之介の大正十一年の俳句です。 8日よりシャレオ古本まつりが始まった。15日まで開催される。 初日、安田武著『昭和 東京 私史』19…

揚羽より速し吉野の女学生

3日、深夜に雷雨。梅雨明け前の予兆。 4日、夕方に土砂降り、じきに雨あがる。 5日、晴れる。最高気温32℃。 6日、曇り。夜も気温があまり下らず。最低気温26℃。 7日は二十四節気のひとつ小暑であった。むしむしと蒸し暑い。 にわか雨と曇りで天気が…

ラジオ深夜便で歌談義を聴く

昨夜のNHKの「ラジオ深夜便」の「ミッドナイトトーク」を聴いた。 「私の好きな“歌”」と題した番組である。 ゲストが田中優子さん。聞き手・川野一宇アナウンサー。 番組で0時のニュースをはさんだ後半で放送された曲は、「石狩挽歌」、「赤色エレジー」、…

口曲げしそれがあくびや蝶の昼

1日、梅雨の中休みで晴れた。最高気温30℃。 クローバーの花にツバメシジミがいた。特徴としてツバメの尾のような突起が翅(はね)に見られる。 街路樹の花にツマグロヒョウモンを見つけた。ツマグロヒョウモンの雄である。 豹紋蝶(ひょうもんちょう) ヒ…

映画『裸の太陽』

6月は、昨年の5月に亡くなられた新藤兼人監督のシナリオ作家に焦点をあわせて「特集・新藤兼人のシナリオ」の上映会がありました。 9日の家城巳代治監督の『姉妹』(1955年、中央映画、100分、白黒)は、姉妹に野添ひとみ、中原ひとみ主演の作品で…

映画『真夜中の顔』

6月の「特集・新藤兼人のシナリオ」からの2本。 三國連太郎が主演の作品。 宇野重吉監督の『真夜中の顔』(1958年、歌舞伎座、76分、白黒)を観た。 出演は、三國連太郎、桂木洋子、水戸光子、梅野泰靖(やすきよ)、若原雅夫、滝沢修、小沢栄太郎 …

成瀬巳喜男監督『舞姫』と配役のこと

6月の「特集・新藤兼人のシナリオ」で上映の作品から。 8日、成瀬巳喜男監督『舞姫』(1951年、東宝、85分、白黒)を観る。 撮影が中井朝一、美術は中古智。脚本を新藤兼人。 出演は、高峰三枝子、山村聰、岡田茉莉子、片山明彦、二本柳寛、木村功、…

『初期アメリカ新聞コミック傑作選1903ー1944』

先日、『初期アメリカ新聞コミック傑作選1903ー1944』(創元社)のパンフレットを入手。 全4巻+別冊。 「眠りの国のリトル・ニモ」、「クレージー・キャット」、「ガソリン・アレーのウォルトとスキージクス」、「さかさま世界」を収録。 推薦者の…

初蝶を見し目に何も加へざる

昨日の夕方、上弦の月が見られた。 夏至が近づいている。日の出の時刻が5時頃、日没が7時半頃と遅くなった。 公園の池にショウジョウトンボとチョウトンボを見る。 ショウジョウトンボはハスの葉にとまって動かない。じっといつまでも静止している。 トン…

溝口健二監督の『我が恋は燃えぬ』

「特集・新藤兼人のシナリオ」からの一本。 7日、溝口健二監督の『我が恋は燃えぬ』(1949年、松竹、84分、白黒)を観る。 脚本は依田義賢、新藤兼人。撮影が杉山公平で、美術を水谷浩。 出演は田中絹代、水戸光子、菅井一郎、小沢栄太郎。 6月プロ…

家城巳代治監督の映画『姉妹』

昨年の5月に亡くなられた新藤兼人監督の「特集・新藤兼人のシナリオ」と題して脚本を手がけた作品を映像文化ライブラリーで上映している。 9日、家城巳代治監督の映画『姉妹』(1955年、中央映画、100分、白黒)を観た。 出演は野添ひとみ、中原ひ…

小林信彦を読む、『北極光』余聞

6月5日は、二十四節気のひとつ芒種です。 穂のある穀物を植える頃でありますね。 公園の池に寄ると、クロイトトンボがハスの葉にとまっていました。 昆虫が活発に活動する季節がやって来ました。 田中重雄監督の映画『北極光』(1941年、新興キネマ、…

田中重雄監督の映画『北極光』

《昨年の5月に亡くなられた新藤兼人監督は、200本を超える脚本を書き、シナリオ作家としても日本映画界の中で大きな存在でした。今月は、シナリオ作家としての新藤兼人監督に焦点をあわせた特集を開催します。》 「特集・新藤兼人のシナリオ」と題して映…

『ユリイカ』特集「山口昌男」

『ユリイカ』6月号・特集「山口昌男 道化・王権・敗者」で、東ゆみこ「師の説になづまざること 山口昌男における神話の意味」と吉成秀夫「山口昌男先生のギフト」をおもしろく読んだ。 「書肆吉成」の屋号で古書をあつかう古本屋をやっておられる吉成氏の話…

映画『三文役者』のこと

《5月29日は、新藤兼人監督が亡くなられて一年になります。新藤監督の映画人生を偲んで、新藤監督が80歳代、90歳代の時に撮られた3作品を上映します。》 29日、「新藤兼人監督を偲んで」の上映作品からの1本、『三文役者』(2000年、近代映画…

『映画と谷崎』(青蛙房)を読む2

千葉伸夫著『映画と谷崎』は、「最初の映画青年」谷崎の軌跡を調べている。 とても興味深い指摘や資料がみられる。その一部をまとめてみる。 谷崎潤一郎の横浜でのサイレント映画製作体験の前後について。 大正九年二月、松竹キネマ合名会社創立。 四月、大…

気になる新刊

気になる新刊を二冊。 『ユリイカ』6月号が特集「山口昌男 道化・王権・敗者」。 来月(6月)のちくま学芸文庫で、『山口昌男コレクション』が刊行されます。 参照:http://www.seidosha.co.jp/index.php?9784791702558 山口昌男コレクション (ちくま学芸…

サクランボと「私の極意」

24日、最低気温17℃、最高気温29℃。快晴で空気が乾燥している。 そのためか風が吹くと爽やかである。 公園の桜に、サクランボの実が見られた。近寄って観察する。 先日の20日、NHKラジオ深夜便で「母を語る 俳人・金子兜太」というインタビュー番組を…

大林宣彦監督の映画『HOUSE』

特集「日本映画の70年代」の1本、大林宣彦監督の映画『HOUSE』(1977年、東宝映像、88分、カラー)を観に寄る。観客が多い。 出演は池上季実子、神保美喜、大場久美子、南田洋子、鰐淵晴子、尾崎紀世彦、小林亜星、檀ふみ 。 5月プログラムよ…

『文学と映画のあいだ』のこと

5月5日が立夏で、晴天に恵まれた。この頃より公園の池に睡蓮が咲き始めている。 湿度が低いためか蛙の姿が見られない。 鏡のような水面から睡蓮の花があちこちと浮かび上っている。 白にほんのり紅色が混じった花弁(はなびら)が見事だ。 千葉伸夫著『映…

『映画と谷崎』(青蛙房)を読む

先日、タンポポの黄色い花や綿毛が沢山見られた。 近寄って観察する。タンポポの繊細な綿毛がびっしりと密集していた。 キク科タンポポ属の多年草の総称。野原や道端に生え、根際から羽状に深く裂けた葉を放射状に出す。三、四月ごろ、花茎を伸ばし、頂に黄…

エリダル・リャザーノフ監督の映画『ふたりの駅』

6日、「ロシア・ソビエト映画特集」で上映された映画の最後の1本。 エリダル・リャザーノフ監督の映画『ふたりの駅』(1982年、135分、カラー)を観に寄る。 ゴールデン・ウィークで観客が多い。 出演は、リュドーミラ・グルチェンコ、オレグ・バシ…

ラリーサ・シェピチコ監督の映画『処刑の丘』

5日、「ロシア・ソビエト映画特集」で、ラリーサ・シェピチコ監督の映画『処刑の丘』(1976年、110分、カラー)が上映される。 出演は、ボリス・プロートニコフ、ウラジーミル・ゴスチューヒン、アナトリー・ソロニーツィン。 特集のパンフレットよ…

映画『かもめ』

5日は二十四節気のひとつ立夏である。晴れて陽射しが強い。 南から吹く乾いた風が汗ばむ身体には心地よい。 朝は9℃だったが、午後は22℃まで上がる。若葉がみずみずしく、川岸にアオサギがいた。 とても大きな体長の鳥である。 アオサギではなく、チェー…

映画『火を噴く惑星』

「ロシア・ソビエト映画特集」で、パーヴェル・クルシャンツェフ監督の映画『火を噴く惑星』(1961年、83分、カラー)が上映される。 レトロ感のある宇宙冒険SF映画である。 出演は、ウラジーミル・エメリヤノフ、ゲオルギー・ジジョーノフ、ゲンナー…