2013-01-01から1年間の記事一覧

映画『女狙撃兵マリュートカ』

「ロシア・ソビエト映画特集」が、5月1日から映像文化ライブラリーで始まった。 《敵対する2人の兵士の愛を描き、カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した「女狙撃兵マリュートカ」、19世紀のロシア貴族の悲恋を描いた「貴族の巣」、地方駅を舞台にウエイ…

「みうらじゅんのサントラくん」

夜、NHKラジオの番組で「みうらじゅんのサントラくん」を聴いた。 一年前から散発的に放送されていた「みうらじゅんのサントラくん」が、レギュラー化された。今夜がその最初の放送である。 ライブ放送である。 始まりました。ついに今回から定番になりまし…

「転々私小説論」とタンク・タンクロー

25日、晴れて気温が21℃まで上る。早朝は10℃で肌寒い。 乾燥した風で爽やかである。 26日、公園の池に蛙を見つけた。一度鳴き、後は沈黙したままの声の主を探ると池の縁にいた。 池の底の泥に冬眠していたものらしい。背中の模様は鮮明ではないが、ト…

『タンク・タンクロー』のこと

今月の「こどものとも年中向き」5月号を購入した。(たむらしげる「ねじまきバス」所収) 「絵本のたのしみ」という折り込みふろくに、「こころに残った子どもの本」第12回木皿泉さんの巻が、「タンク・タンクロー」だった。 木皿泉さんは、和泉努さん(…

ラ・フォンテーヌの精神の健康法

19日までは気温が高かった。汗ばむ陽気だった。 20日は、二十四節気のひとつ穀雨である。 朝から小雨が降り続いた。最低気温が6℃、最高気温が11℃、四月にしては非常に寒かった。 21日、朝のNHKラジオの番組で、「著者に聞きたい本のツボ」を聴いた…

ツツジが咲く

最低気温が15℃、最高気温が24℃。晴れて南の風が吹く。汗ばむ気温だった。 桜がもう葉桜になっている。街路樹は新緑に包まれている。 蝶が舞いはじめた。アオスジアゲハのようだ。 ツツジが美しい。街路樹のオオムラサキツツジの大きな花弁(はなびら)が…

追悼・三國連太郎さん

14日に俳優の三國連太郎さんが亡くなられた。ご冥福をお祈りいたします。 三國連太郎さんといえば、昨年の四月から五月にかけて、「新藤兼人 百年の軌跡」で上映された二本の映画が印象に残る。 新藤兼人監督の映画『生きたい』(1999年、近代映画協会…

辻まことのユーモア

辻まことアンソロジー『山中暦日』(未知谷)の編集・解説の柴野邦彦氏が辻まことについて、「居候で候」と題して書いている。 それによると、 《幼い頃から父母の庇護を受けられなくなった辻まことは、居候として成長した。 その経歴についてはあちこちに詳…

『山中暦日』を読む

山吹(やまぶき)の花が咲いた。八重咲きの花である。 色は鮮やかな光のある黄金色の花弁(はなびら)である。 バラ科の落葉低木。山間の湿地に多く、群生する。葉は互生し、卵形で先がとがり、縁に二重のぎざぎざがある。晩春、黄色の五弁花を開き、実は暗…

帰らなんいざ草の庵は春の風

最低気温9℃、最高気温15℃。快晴で乾燥した西南西の強い風が吹く。 枝垂れ桜(シダレザクラ)、染井吉野(ソメイヨシノ)の後に、八重桜が咲いた。 ちょうど見頃である。紅色の花びらが密生していて、風にゆれる。 八重咲きのサトウザクラ、ヤマザクラから…

蝙蝠座の第一回公演上演台本

紅野敏郎著『本の散歩・文学史の森』で、紅野氏が昭和五年六月平凡社より刊行の蝙蝠座の第一回公演上演台本の『ルル子』がどのような台本かを説明している。 それによると、台本の序を今日出海が書いている。 戯曲『ルル子』はウェデキントの『地霊』と『パ…

紅野敏郎著『本の散歩・文学史の森』を読む

4日、最高気温18℃。花曇りであった。 シダレザクラ(枝垂れ桜)が満開になっている。淡紅色の花びらは、ソメイヨシノと違って八重で枝に群生しているのが特徴だ。 5日は二十四節気のひとつの清明である。春分から十五日目。 空気が乾燥して、風もなく爽…

映画『ボンボン』

3月「中南米映画特集」で上映された作品の3本目について。 カルロス・ソリン監督の映画『ボンボン』(2004年、アルゼンチン、97分、カラー)を観た。観客は15人ほど。 出演はファン・ヴィジェガス、ワルテル・ドナード、グレゴリオ、ミコル・エス…

評伝「漂流怪人・きだみのる」のこと

小学館の月刊『本の窓』3・4月合併号が、嵐山光三郎の評伝「漂流怪人・きだみのる」を連載している。 第五回「ミョウガの玉子とじ」とはなにか、と題してのエッセーである。 今回は、国宝の本堂のある長野市の善光寺の重要文化財の山門の下で、写真家の柳…

ツバメが飛ぶ

29日、今年初めて燕(ツバメ)が飛んでいるのを見かけた。 燕の鳴き声が空から聞えてきたので見上げると飛んでいたのだ。 31日、最低気温が10℃、最高気温は19℃だった。 乾燥した北風が強く吹く。陽射しは強いが肌寒い風である。 夕方にかけて青空が…

『わたしのブックストア』

3月20日の春分を過ぎて、春らしい日々が多くなった。暑さ寒さも彼岸までである。 街路樹にある椿(ツバキ)が満開になっていた。近寄って観察する。葉がつやつやしている。 ツバキ科の常緑高木。本州以南に自生するが、関東以北では海岸地帯に点在し、ヤ…

『地獄の季節』出版記念会の写真

企画展「佐野繁次郎の装幀本」に、小林秀雄の翻訳したアルチュール・ランボーの詩集『地獄の季節』(白水社)が展示されていました。 この佐野繁次郎による装幀本に関連して写真パネルがありました。 1930年11月の出版記念会での写真です。 出版記念会…

佐野繁次郎によるパッケージデザイン

企画展「佐野繁次郎の装幀本」に、佐野繁次郎によるパッケージデザインで、パピリオ化粧品の容器があった。 手前の三点は、白粉(おしろい)を入れるケースのようだ。 奥の黒い四角い箱のケースは、PAPILIO CREMEと表記されている。 その左はクリーム類を入…

佐野繁次郎による最初の装幀本

中央図書館で、企画展「佐野繁次郎の装幀本」が開催されている。 佐野繁次郎装幀本蒐集家の西村義孝氏の講演会があった。 会場を回って観た。横光利一、井伏鱒二、林芙美子など作家の本の装幀本、雑誌の表紙絵、銀座百点、親交のあった人々の本、佐野を知る…

映画『僕と未来とブエノスアイレス』

「中南米映画特集」で、アルゼンチンのブエノスアイレスの下町のガレリアと呼ぶアーケードの商店街で暮らしている青年の心模様を描いた映画を観る。 原題はEl Abrazo Partido。 ダニエル・ブルマン監督の映画『僕と未来とブエノスアイレス』(2004年、ア…

映画『ダック・シーズン』

「中南米映画特集」が映像文化ライブラリーで上映されている。 22日、フェルナンド・エインビッケ監督の映画『ダック・シーズン』(2004年、メキシコ、90分、白黒)を観る。原題はTemporada De Patos。 出演は、ダニエル・ミランダ、ディエゴ・カタ…

畑でレッスン・山田五十鈴

街路樹のハクモクレンの花が開いた。白いモクレンの花で大きな花びらである。 間近に見ると、風にゆれゆらゆらと花が動く。 モクレン科の落葉高木。三月ごろ、香りのある白い大きな六花弁を開く。蕚(がく)は三枚あり、花びら状。葉は倒卵形。中国原産で、…

映画『破れ太鼓』

「生誕100年 木下惠介監督特集」が2月、3月の2ヵ月にわたって上映されている。 2月に観たうちの1本。 木下惠介監督の映画『破れ太鼓』(1949年、松竹、108分、白黒)の出演は阪東妻三郎、村瀬幸子、森雅之、小林トシ子、木下忠司、大泉滉、桂…

『俳句、はじめました』

13日は南寄りの風で雨、最高気温が17℃、最低気温が14℃だった。気温が上った。 14日、北寄りの風で晴れた。最高気温が11℃、最低気温5℃で肌寒かった。 寒暖の差がはげしい。晴れて陽射しと風が強い。 梅の開花がすすみ見頃である。近づくと梅の香り…

山口昌男さんのこと、笑いと逸脱

3月10日に、山口昌男さんの訃報を最初ネット記事で知った。 翌日の新聞でおくやみ記事を読んだり、12日の大塚信一氏の「山口昌男さんを悼む 人間を見詰め知に遊ぶ」という文を読んだ。 山口昌男さんといえば、最近読んだ本で、川本三郎著『そして、人生…

「みすず」読書アンケート2

月刊「みすず」の毎年恒例の読書アンケートで、読んだ本のコメントを読むのは興味深いものだ。 1、森まゆみ著『千駄木の漱石』(筑摩書房)へのコメントを鎌田慧氏。 2、小林信彦著『四重奏 カルテット』(幻戯書房)へのコメントを苅部直氏。 3、多田道…

「みすず」読書アンケート1

月刊「みすず」2013年1月・2月合併号は、全ページが2012年の「読書アンケート特集」です。 ワシーリー・グロスマン著『人生と運命』を、渡邊一民、上村忠男、阿部日奈子、山口二郎の各氏が挙げていました。 昨年(2012年)2月、3月、ちょう…

映画『わが恋せし乙女』

三月五日は、二十四節気のひとつ啓蟄(けいちつ)である。 啓蟄とは冬ごもりしていた虫が地上に出て来る時期をいう。 七二候によると、野鶯の初鳴き、菜の花咲くとある。 二月、三月の2ヵ月にわたって「生誕100年木下惠介監督特集」が開催されている。 …

梅が咲く

1日、雨、最高気温12℃、最低気温7℃。「生誕100年 木下惠介監督特集」で上映の『野菊の如き君なりき』(1955年、松竹)を観る。 2日、晴れ。春一番が吹いた。寒暖の差がはげしい。「生誕100年 木下惠介監督特集」で上映の映画『太陽とバラ』(…

丸谷才一論ふたつ

今月の『群像』2013年3月号に菅野昭正氏の丸谷才一論が掲載されています。 「小説の夢を追いつづけて」というタイトルですが、副題は「丸谷才一追悼のために」とあります。 末尾に菅野昭正氏が書いている次の箇所にうなずくところがありました。 引用す…