2012-01-01から1年間の記事一覧
多田道太郎の「転々私小説論」を読む。 『群像』2001年4月号である。 無声映画で小津安二郎の映画に『東京の合唱(コーラス)』(1931年、松竹キネマ、90分、白黒、無声)という映画がある。 昨年、活動弁士・佐々木亜希子さんの活弁でこの映画を…
21日、今月(9月)のアキ・カウリスマキ監督特集で上映の5本のうち『ラヴィ・ド・ボエーム』(1992年、フィンランド、103分、白黒)を観に寄った。観客が50人ほど。 公開時に観ているのだが、パリを舞台にした芸術家のボヘミアン生活を撮った作…
22日は、二十四節気のひとつ秋分である。 朝晩が涼しくなり、百日紅(サルスベリ)の花が咲きはじめた。紅色である。 ミソハギ科の落葉高木。高さ三〜七メートル。幹は薄い紅紫色で皮ははげやすく、跡が白くなり、滑らか。葉は楕円形。夏から秋にかけて、…
小林信彦著『四重奏カルテット』が幻戯書房から刊行された。 四篇のうち、「夙川(しゅくがわ)事件ー谷崎潤一郎余聞」が読ませる。 渡辺温が岡本の谷崎潤一郎宅へ東京から出張で訪れ原稿依頼で帰った後、夙川の踏切事故で事故死する。その事故死に関わった…
今月(9月)は、アキ・カウリスマキ監督特集。5作品が映像文化ライブラリーで上映される。 アキ・カウリスマキ監督の映画『カラマリ・ユニオン』(1985年、フィンランド、80分、白黒)を鑑賞。原題はCalamari Union。 出演はマッティ・ペロンパー、…
台風の影響で低い雲が南から北へ向かってゆっくり移動してゆく。 曇り空で南風は湿気を含んで蒸し暑い。街路樹に団栗(どんぐり)の実がなっていた。 シラカシ(白樫)の実で、下部を殻斗(かくと)が包んでいる。 小野耕世著『世界のアニメーション作家たち…
ヤン・シュヴァンクマイエル、ルネ・ラルー、カレル・ゼマンなど15人の世界のアニメーション作家へのインタビューが収められている本に、小野耕世さんの『世界のアニメーション作家たち』(人文書院)があります。 ルネ・ラルーの『ファンタスティック・プ…
街路樹の棗(ナツメ)が実を付けていた。 暗赤褐色に色付いているのだった。 「秋風や夢の如くに棗(ナツメ)の実」 石田波郷の句である。 「北支徳県にて」という前書きがある。 昭和十八年九月召集、佐倉連隊に入隊。 昭和二十年内地に帰還。
8月の下旬にイチモンジセセリがツツジの葉にとまっていた。 セセリチョウ科のチョウ。翅(はね)は開帳三・五センチくらい、黒褐色で白点列がある。幼虫は稲の害虫で、葉を巻いて苞(つと)状の巣をつくるため、葉捲虫(はまくりむし)・稲苞虫(いねつとむ…
8月の第14回広島国際アニメーションフェスティバル会場で久里洋二さんに出会ったので、久里洋二さんの新刊『ボクのつぶやき自伝―@yojikuri』の内容についてご本人に確認したのだった。 本に書いたとおりだというご返事だった。 隅田川での船で深沢七郎に…
7日は二十四節気のひとつ白露である。まだ最高気温が30度を超える日がつづいている。 しかし、もうイチジクが色付いて食べごろになった。 今年は猛暑日が多く、それゆえかイチジクが甘い。 芥川龍之介の句に、「震災の後増上寺のほとりを過ぐ」という前書…
来月(10月)の新刊で、ポール・セルー著・阿川弘之訳『鉄道大バザール 上』と多田道太郎著『転々私小説論』の二冊が出るようです。どちらも講談社文芸文庫からですね。 最近はポール・セルーをポール・セローと呼ぶようですが、阿川さんの訳されたセルー…
二十四節気の処暑を過ぎても熱帯夜がつづいていたが、九月に入って朝晩に吹く風が涼しく心地よい。 セミの鳴き声が少なくなった。 先日、公園の池にショウジョウトンボを見つけた。 トンボ科の昆虫。雄は全体に鮮やかな赤色。雌は橙(だいだい)色。夏、池沼…
「ヴェルナー・ヘルツォーク監督特集」から、映画『キンスキー、我が最愛の敵』(1999年、ドイツ、イギリス、95分、カラー)を観た。観客は50人ほど。 今回のヘルツォーク監督特集は、『アギーレ/神の怒り』(1972年)→『ノスフェラトゥ』(1…
27日、広島国際アニメーションフェスティバルの最終日。 閉会式とそれにつづく受賞作品の上映会を観た。 受賞作の中で水尻自子(みずしりよりこ)さんの「布団」が、とても良かった。 官能的な線の動きによるアニメーション。優美でしかも繊細に表現してい…
午前5時30分ごろに東南東にオリオン座が昇って来ていた。 夜明け前で、東に高度40度に金星がひときわ明るく輝いていた。 まだ暑苦しい熱帯夜がつづくが、夜明け前の吹く風は涼しい。 今月(8月)は「ヴェルナー・ヘルツォーク監督特集」が映像文化ライ…
第14回広島国際アニメーションフェスティバルが始まる。会場のアステールプラザ、1階のブースでラッピーニュース0号、1号を入手。 2階の通路広場にアニメ関連の書籍、カタログ、DVD、絵葉書、Tシャツなどの売店が並んでいる。 イチゴジュース、かき氷…
山田洋次監督の映画『キネマの天地』(1986年、松竹、135分、カラー)を鑑賞。 出演は中井貴一、有森也実、渥美清、すまけい。 今月のプログラムより引用すると、 松竹大船撮影所50周年記念作品。日本映画がサイレントからトーキーへ向かう頃を時代…
1940年の夏に白頭山に登った梅棹忠夫さんと、そのとき機会がありながら健康上の理由で参加できなかったが、44年後、中国側からこの山に登頂して、青年時代の宿願を果した吉良竜夫さんとの対談が興味深かった。 梅棹忠夫・藤田和夫編『白頭山の青春』に…
早朝、ゴーヤを収穫する。 連日、残暑である。蝉時雨(しぐれ)がつづいている。 シオカラトンボやクモを見かけた、 蛛形(ちゅうけい)綱真正クモ目節足動物の総称。体は頭胸部と腹部とからなり、歩脚は四対。ふつう八個の単眼がある。腹部後方に糸を出す突…
13日、ペルセウス座流星群を観測した。 午前1時50分頃、北東の空にスーッと流れ星が左から右へ一直線に流れて消えた。 時間にして一秒もないほどである。 流星が見えた! 天体ショーにわくわくした。 野尻抱影著『新星座巡礼』(中公文庫)に、「八月の…
朝の番組でNHKラジオの「著者に聞きたい 本のツボ」を聴いた。 上下二巻、『妖怪萬画 絵師たちの競演』の著者・和田京子さんの出演。 その談話の聞き書きです。 平安時代12世紀より妖怪画が描かれてくる。ハイライトは江戸時代の鳥山石燕(とりやませきえ…
やや猛暑がやわらぐ。蒸し暑さにからだが慣れてきたのか。しのげる暑さになる。 ショウジョウトンボがハスの茎の先にとまっていた。 ハスの葉や茎にとまっているのが見られるのは、この時期に限られるのでじっくり観察する。 「のんき新聞」25号が勝川克志…
夜明けは静かである。 明るくなると、セミが鳴き出した。 午前八時十五分、一分間の黙祷。 8月に入ると、シオカラトンボを見るようになった。 公園の池で一ヶ所にとまってシオカラトンボは動かない。 数センチと近づく。それでも逃げないでとまっている。 …
朝、NHKラジオの土曜あさいちばんで、「ラジオの前のそこが特等席」を聴いた。 「昭和女性アニメソング特集1、前川陽子」と題して、電話で前川陽子さんという方が出演していた。 最初は手塚治虫の「リボンの騎士」の主題歌が放送される。 この主題歌を歌っ…
日の出前に東の空に、金星が明るく光っている。 高度は40度ほどである。 午前から午後にかけて青空に台風の影響で白い雲が速く流れてゆくのだった。 猛暑で34℃を超えた。夕方、東の空に月が昇って来ていた。 「炎天を槍(やり)のごとくに涼気過ぐ」(飯…
朝、明るくなるとセミが鳴き始める。アブラゼミ、クマゼミと競い合うように鳴く。 街路樹にあるナツメの木に実が生(な)った。 公園の池のハスの葉にチョウトンボがとまっていた。 チョウトンボを今年初めて見る。 「炎天を槍(やり)のごとくに涼気過ぐ」…
昭和のはじめ頃の映画には音がありませんでした。 日本では、話芸の伝統を受け継いで、巧みな語り口で映画を説明する「活弁」が発達し、活動弁士は映画館のスターとして人気を集めました。 弁士の語りによって、映画は新たな輝きを放ちます。この機会に、ぜ…
芥川龍之介に、「兎も片耳垂るる大暑かな」という句があります。 片耳が垂れるほどの暑さということでしょうか。 22日が二十四節気のひとつ大暑でしたが、最高気温が34℃、朝の最低気温が26℃でした。 季節や自然の移り変わりを表したものに、七二候があ…
22日は、二十四節気のひとつ大暑である。 小暑のころ梅雨明けの時期だが、今年は17日に梅雨明け宣言が出た。 小暑のころ夏ジャガイモを掘り、スイカが出始める頃という。 大暑のころ、クマゼミが鳴き初め、ヒグラシ鳴き初め。 ハス花咲き初め。暑気はな…