2014-01-01から1年間の記事一覧

映画「ロゼッタ」

「ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督特集」の一本で、映画『ロゼッタ』(1999年、フランス、ベルギー、94分、カラー)を鑑賞する。 出演は、エミリー・ドゥケンヌ、ファブリツィオ・ロンギオーネ、アンネ・エルノー、オリヴィエ・グルメ。 …

映画「イゴールの約束」

今月(8月)は、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督特集が映像文化ライブラリーで上映された。 5作品連続でカンヌ国際映画祭の主要賞を受賞するなど世界中で高い評価を受けるベルギーの巨匠、ダルデンヌ兄弟。今回の特集では、貧しく孤独な少女の…

『フンコロガシ先生の京都昆虫記』

『フンコロガシ先生の京都昆虫記』を読む。フンコロガシ先生というのは筆者の塚本珪一さんである。 京都の虫=昆虫に魅せられて歩いている塚本さんが思いがけず出合った今の「京都の自然」の観察記である。 目次 はじめに 第1章 小宇宙・京都の自然 第2章 …

時代を創った雑誌たち

二十四節気のひとつ処暑である。最高気温32℃、最低気温26℃で、晴れた。 街路樹のナツメに果実が鈴なりである。しかし、まだ色づいてはいない。 中村草田男句集「来し方行方」を読む。 昭和十七年(1942年)、中村草田男は秋の京都へ旅行している。 …

天の川京しもた屋の大銀杏

公園の池に寄ると、水面が静かだ。周辺は蛙の鳴き声は聞こえない。 水辺の生き物は一匹も見られなかった。ただ小さな蛙を一匹見つけた。あまり大きくはないのだが、背中の模様からトノサマガエルのようだ。 19日の夜から20日の朝にかけて、今まで経験し…

対談「政権交代より大事な変化があったよね」

農文協の雑誌「季刊地域」No.18、2014年夏号に、高橋源一郎vs内山節の特別対談が掲載されている! 農文協から『内山節著作集』発刊記念特別対談ということで、著作集の編集担当者が企画したのではなかろうか。 「政権交代より大事な変化があったよね」…

木田元さんのことなど

天気曇り、最高気温27℃、最低気温24℃。午後にわか雨が降るが、のちに回復した。 18日の新聞に木田元氏死去の記事。ご冥福を祈ります。 木田元さんといえば、エッセイ集『ピアノを弾くニーチェ』(新書館)が印象深かった。 『紅茶を受皿で』という晶文…

川端茅舎(ぼうしゃ)追悼句

「来し方行方」は、中村草田男の第四句集である。 「青露変」に先立つ部分は、第三句集「萬緑」に納めし期間の作品中よりの拾遺をも含む、とある。 中村草田男の昭和十六年に、川端茅舎(ぼうしゃ)追悼句があり、「七月十七日、茅舎長逝の報いたる。」とい…

戦争終りたゞ雷鳴の日なりけり

中村草田男の句集「来し方行方」を読んでいる。 昭和二十年の句に、「終戦の大詔を拝したる日、及びそれにつぐ日日、 六句」という前書きのある句がある。 終戦の大詔を拝したる日とは、八月十五日、それにつぐ日々を中村草田男は詠んでいる。 烈日の光と涙…

2014夏 八月の夜に何想う

夜、NHKラジオで放送していた「いとうせいこうトークセッション2014夏 八月の夜に何想う」という番組を聴いた。 番組の後半で、いとうせいこうと國分功一郎の両氏の談話(トークセッション)が面白かった。 というのは、國分さんの発言にバートランド・…

中村草田男句集「来し方行方」

アブラゼミを神社の樹木のツガの樹皮に発見した。 セミの鳴き声はすれども、その姿は見えず。 ツガの樹皮に溶け込むような翅(はね)の模様や色のため、発見が難しかったのだ。 外敵から身を守る必要からの適応だろうか。 マツ科の常緑高木。福島県以南の山…

内山節著作集のこと

7日は二十四節気のひとつ立秋で、晴れる、最高気温35℃、最低気温25℃。 この時期に、つくつくぼうしが鳴きはじめる。スイレン咲く。(七十二候による。) 本日、書店の新刊に『哲学者 内山節の世界』という本を目にし、手にとって見た。 まだみかけない…

広しきに僧と二人の涼みかな

七月の後半は晴天がつづいた。八月になってからは雨や曇りの日がつづく。 5日、小雨のあと雨上がり、最高気温28℃、最低気温26℃。湿度が高い。 街路樹の樹木は夏木立で、青く生い茂っている。ナツメの実が鈴なりになっていた。 「みちのくへ涼みに行くや…

「翻訳についての流儀とエッセンス」

ツバキの果実がつやつやと色付いていた。蝉時雨(せみしぐれ)の午後の光に小さなりんごのように、果実が見られた。 ツバキ科の常緑高木。本州以南に自生するが、関東以北では海岸地帯に点在し、ヤブツバキともいう。高さ三〜七メートル。葉は楕円形で厚く、…

子規の徒歩旅行2

月刊『波』8月号の連載「子規の音」(森まゆみ)の第七回「菅笠とかくれみの」を読みつづける。 第七回「菅笠とかくれみの」は、正岡子規の明治二十四年をたどっているのだが、三月二十五日から四月二日にかけて房総旅行で、子規は二十六日に十一里も歩いて…

子規の徒歩旅行

月刊『波』8月号の連載「子規の音」(森まゆみ)の第七回「菅笠とかくれみの」を読む。 明治二十四年の正岡子規の一年を描いている。 この年の子規は旅行が多い。 森まゆみさんが、冒頭、つぎのように書いている。 《明治二十四年という年は正岡子規にとっ…

小林信彦を読む

小林信彦著『「あまちゃん」はなぜ面白かったか? 本音を申せば』を読む。 「往時、茫茫として」に、笠原和夫氏についてのエピソードがある。 傑作「愛 アムール」をめぐって、で小林信彦の感想があるのだが、主演がエマニュエル・リヴァで、映画評の一部を…

映画「荒武者キートン」

昭和のはじめ頃の映画には音がありませんでした。日本では、話芸の伝統を受け継いで、巧みな語り口で映画を説明する「活弁」が発達し、活動弁士は映画館のスターとして人気を集めました。弁士の語りによって、映画は新たな輝きを放ちます。こも機会に、ぜひ…

河原温氏のこと、I am still alive

シオカラトンボ。 クロイトトンボ。 20日に梅雨が明ける。昨年とくらべると梅雨明けが遅かったが、平年並みである。 22日、最高気温32℃、最低気温27℃。晴れる。夜の気温が下がらない。熱帯夜がつづく。 12日の中国新聞で、河原温氏死去を知る。 《…

古厩智之監督の『ロボコン』

《7月、8月は「日本映画2001年からのブレークスルー」と題して、2001年以降に公開された、若手監督の作品、若手俳優が才能を見せた作品などにより、21世紀になってから10数年の日本映画を振り返ります。》 古厩智之(ふるまやともゆき)監督の…

「河童供養 十句」

雨上がりのしずく。 シオカラトンボがとまっていた。数センチまで寄っても逃げる気配がない。 トンボ科の昆虫。中形で最も普通のトンボ。四〜九月に現れ、成熟した雄は腹に青白粉を装う。雌は淡黄褐色でムギワラトンボという。 『大辞泉』 河童忌というのは…

渓くだる大揚羽蝶どこまでも

晴れる、最高気温30℃、最低気温23℃。梅雨の中休みのような天気である。 チョウトンボを見かけた。ハスの葉にとまっている。 トンボ科の昆虫。体は黒色。翅(はね)は幅広く、先端が透明なほかは黒褐色で紫青色または金緑色の光沢がある。池沼の上をチョ…

伊馬春部のこと

晴れる、最低気温25℃、最高気温31℃。 大賀ハスといわれているが、ハスは花を閉じていた。 今月(7月)の新刊に、『現代語訳 東海道膝栗毛(上)』が、岩波現代文庫で16日に発売のようだ。 伊馬春部による「東海道膝栗毛」の現代語訳である。 東海道を…

『サタデイ・ナイト・ムービー』から

週刊読売に連載の「都筑道夫のときどきキネマ」(昭和52年7月2日号〜昭和54年3月18日号)が、都筑道夫著『サタデイ・ナイト・ムービー』(集英社文庫)に収録されている。1977年から1979年に都筑さんの見た映画評である。 溝口健二監督の映…

吉村公三郎監督の映画『越前竹人形』

7日は二十四節気のひとつ小暑で雨、時々曇り。最高気温24℃、最低気温22℃。蒸し暑い。 昨日から梅雨前線の北上があり、通過時が雷と雨が激しかった。 この雷鳴を聞くと、梅雨明けがもうすぐである。 《6月は、若尾文子さんの特集を開催します。1952…

ヒメジョオンと「書物の達人 丸谷才一」のこと

この花はハルジオンかな。いや、ヒメジョオンかな。 区別に迷う植物の名前である。 茎を折って、その折れ方などで調べる。 茎の中が空洞になっていないので、ヒメジョオンと同定した。 一枚一枚の花びらは細いながらやや幅がある。 新刊で、菅野昭正・編『書…

「新鋭文学叢書」の広告2

全身が赤いトンボ。しわくちゃになった蓮の葉にとまっている。ショウジョウトンボで、とまる位置はいつも同じ場所を好むようだ。 翅(はね)は透明である。とまるとそのまま動かない。 トンボ科の昆虫。雄は全体に鮮やかな赤色、雌は橙(だいだい)色。夏、…

「新鋭文学叢書」の広告

28日、公園の池に糸トンボが飛び回っていた。クロイトトンボ。 日没が遅くて明るい夕方に、池の水辺では昆虫が活発に動き回っている。 つがいのトンボも飛び回っていた。 先日、古書店の均一本から「子規全集」を購入した。 第四巻、昭和五年(1930年…

「子規の音」を読む

クロイトトンボと蓮の葉。 『波』6月号の森まゆみの連載「子規の音」第五回を読む。森まゆみさんがこんなことを書いている。 《子規は三題噺や表作り、東西人気比べ、番付、草稿の分類などが大好きだった。実を言うと私も好きだ。今まで見た映画のトップ1…

古本まつりとギンヤンマ

21日、二十四節気のひとつ夏至であった。晴れて、最高気温28℃、最低気温21℃。 この日、シャレオ古本まつりに寄る。先日売った本が並んでいた。値付けは結構いい値がついていた。 夏至のころは、日の出は早く、日没が遅い時期である。生き物が活発に活…