2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

語り芸の魅力

春先のうす曇りのような天気だった。ぼっーと遠くまで靄(もや)のかかった曇り空。川の岸に沿ってカモの群れが散開していた。二三羽が一団になって、川の真ん中ではなく岸辺に浮かんで動き回っていた。えさを探しているようだ。 NHK教育テレビで「私のこだ…

奥野良之助の『金沢城のヒキガエル』

平凡社の新刊にサン=テグジュペリの『星の王子さま』、訳=稲垣直樹。それと、奥野良之助の『金沢城のヒキガエル』、解説=紀田順一郎。どちらも、平凡社ライブラリーの一冊だ。 『金沢城のヒキガエル』は、どうぶつ社から出ていた本が長らく絶版になってい…

『西鶴の感情』

快晴で遠くの空が、春先に中国大陸からやって来る黄砂で霞んでいるかのようだった。春はもうすぐか。この冬が終わって春が来るのがいつになるのか。 今週の朝日新聞に田中泯と富岡多恵子の記事(文章)に収穫あり。 田中泯の公演のポスターをある大学の学生…

『芭蕉紀行』

朝日新聞に連載の小沢信男の「俳句が楽しい」が、その10で完となった。「芭蕉の覚悟」という題で芭蕉の魅力を記している。 芭蕉は、よほど魅力的な指導者であった。おりおりの師の言葉に、弟子たちはハッと目からうろこがおちる思いをしたらしい。『去来抄…

富田木歩と内藤丈草

水辺と岸の境目に一羽のアオサギを見つけた。その足元そばの水面に水鳥の一団がぷかぷか浮いている。渡り鳥のカモのようだ。アオサギの足元近くまでカモは近づいて行く。アオサギは、じっとして動かないでいる。カモのほうは、なぜかアオサギの周りにくっつ…

ヒドリガモ

正午過ぎに川を渡っていたら川岸の岩場にカモの一団がいた。日光浴をしているような風情である。近寄ってそばで眺めた。上から見ているのでカモたちは気がつかないのかもしれない。カモのからだの模様の色やその特徴から調べてみると、ヒドリガモという名前…

大隠は市に隠れる

『種村季弘 KAWADE道の手帖』で対談を読んだ。松山巌と坪内祐三の「大隠は市に隠れる」というタイトルの対談。うーむ。なるほどねえ。種村季弘さんの謎の部分を語っているところなどに注目する。ところで「大隠は市に隠れる」というタイトルは、老荘的だなぁ…

三遊亭円生の声

晴天で陽射しが強い。遠くの方まで澄みきった冬空だ。風は穏やかである。川岸の浅瀬にカモの群れがいた。胴体の模様が見事だ。なにやら石についている餌(えさ)のようなものを、ついばんでいる。渡り鳥が一時、この水面に漂着しているらしい。カモを眺めて…

落田洋子の「SARDINES」

晴れて風が強い。寒風である。遠くの方まで澄みきっていた。川は風ですこし波立っていた。その波立った川面(かわも)を避けるようにカモの群れが川岸の浅瀬にいた。なにやらカモたちは、ついばんでいた。 書店で『青春と読書』と『本の窓』の2006年2月…

不良定年への指南書『徒然草』

川を渡っていると、カモメが飛んで来た。頭の上を飛び越えて行く。二羽が青い空へ舞い上がり、舞い降りるような飛行をしていた。正午過ぎだが、ヘリコプターが晴れわたった青空に位置を保ったままの静止飛行をしていた。その音がかすかに聞こえて来る。 山茶…

嵐山光三郎の『不良定年』

夜半に月は出ていないが星が見られた。寒気団の南下で再び寒さが厳しくなりそうだ。 先月、嵐山光三郎の『文人暴食』が新潮文庫になった時に稲垣足穂などを読んだのだった。その嵐山光三郎に『不老定年』2005年(新講社)という本がある。新潮社と講談社…

満月や大人になってもついてくる

大寒の一日だった。夕方まで雨も降ることもなく過ぎる。気象予報が外れた。 朝日新聞で連載の小沢信男の「俳句が楽しい」その5を読んだ。辻征夫についてのエピソードなどに触れている。辻の没後の一周忌に刊行された『貨物船句集』(書肆山田)の最終頁(ペ…

空飛ぶソファ

暖かい日が続いていたが、今日の寒さは寒の戻りかな。うーん。ぶるぶる。 『ラパン』2002年冬号を読む。種村季弘の「雨の日はソファで散歩 銀座編」が読ませる。種村さんが銀座をめぐって書かれた本を読み解く紙上散歩といった趣きだ。それも、幕末、明…

種村季弘の『雨の日はソファで散歩』

橋を渡っていると、遠くの砂州のような砂地に水鳥が群れて点々と散らばっていた。近寄って確認してみようと歩を進めた。すると、川岸の直ぐ下に名前の知らないシギの仲間らしい一羽の鳥がいた。その鳥を見ていたら、こちらの気配を察してか、すばやく羽を拡…

多田道太郎の『共同研究の楽しみ 戦中戦後』

街路樹のメタセコイアの樹がすっかり葉を落としていた。ネムノキも葉がなくなっていた。常緑樹の山茶花などは、落葉樹と違って葉がつやつやして花も咲いている。もうすぐ大寒になるけれど、寒さがそれほど厳しくない。うーん。このまま春という訳には行かな…

河原淳の雑学的センス

昼過ぎまでうす曇りだった。その後、夕方にかけて降ったりや止んだりの小雨。夜になって雨あがる。 ラジオ深夜便で藤沢周平の『蝉しぐれ』を、松平定知アナウンサーの朗読で聴く。 河原淳という人について。今手もとにある本の表紙カバーに「なんでもやる人…

寒月

朝から快晴で陽射しは強いが、まだまだ風はつめたかった。夜は地上から眺めると満月が見える。月の位置は天頂に近いところを移動していた。蕪村の句、「寒月や門なき寺の天高し」の天高しという感じがする。夜半に月明かりで外が明るかった。空を見上げれば…

奥野良之助の『金沢城のヒキガエル』

朝からの小雨が降ったり止んだりしていたが、夕方には晴れ間も見えて来る。雲が乱れ飛ぶようだ。風もある。 昨年は、リチャード・ブローティガンの『アメリカの鱒釣り』が新潮文庫になった。それはさておき、平凡社から新年の贈り物である。一月の新刊に、奥…

冬の月

曇りのち雨模様。降ったり止んだりして夕方から夜にかけて本降りになる。寒中というのに暖かい。今夜は月が見えないけれど、晴れていれば満月になりかけている頃だ。 鶴見俊輔対談集『未来におきたいものは』で富岡多恵子との対談を読んだ。富岡多恵子が「深…

退歩にとっての読書

快晴で暖かい日だった。夕方ごろにうす曇りになる。東の空の雲間に月が見えた。ほぼ満月に近い形をしていた。高度は六十度くらいかな。そうこうしている内に月は雲間に隠れてしまった。 昨夜はラジオ深夜便の「演芸特選 落語」で林家三平の『源平盛衰記』を…

月夜

今夜は月明かりで外が明るい。月は天頂あたりに来ていた。火星がその近くに見えた。地球から遠ざかりつつある火星だが、まだ確認できる日がつづいている。天の川が月明かりでも見える。 2月に『貸本マンガ史研究』16号が出るという。 出久根達郎の『粋で…

山田風太郎の『ラスプーチンが来た』

川の中に立っている竹の篊(ひび)。その周辺の水面に白いカモメが群れで散開していた。前日、すぐそばまで飛びながら近寄って来て、去って行ったカモメの一団かな。白いカモメはテンデンバラバラに川面(かわも)に浮かんでいた。青空で寒さも和らいでいる。…

カモメと月

正午過ぎに川を渡っている時、白いカモメの群れが接近して来た。前方二メートルほどの距離で二羽三羽と群れて横切って行く。下から眺めると、つばさを上下にゆっくり動かしながら右から左へ、わたしの頭の上の方にも、つぎからつぎへと白いカモメが飛び越し…

田村隆一の『ぼくの東京』

快晴で寒さがやや緩む。川を渡っているときに久しぶりに海鵜を見た。一羽で水中に潜ったりしていた。川岸に小さな白いサギも一羽いて、じっとしていた。 昨日、『ワンコイン悦楽堂』(情報センター出版局)*1を見つけたので、ざっと目を通してみた。後半に高…

退屈男とのんびりした人

朝は快晴。午後すぎには晴れたり曇ったりして来て、夕方に雪がぱらつく。それも止んで夜は晴れ上がった。この時期に山茶花(さざんか)の花や赤い実のマンリョウをよく見かける。 田村隆一の『ぼくの東京』(徳間文庫)に所収の「わが幻花行」からの引用。 …

山茶花の花

寒気団の南下で寒い一日だった。天気予報では今夜から明日にかけて雪が降るという。そのような時に咲いている紅い花を見た。初めはツバキかなと思ったが、葉がギザギザしているので山茶花(さざんか)らしい。近寄って見た。 朝日新聞で「人口減社会は明か暗…

半七捕物帳を歩く

また寒気団が南下を始めているようだ。昼間は晴れて青空で陽射しは暖かかったが、風が冷たかった。そういえば今日は小寒である。うーむ。まるで大寒のような冷え込み方である。夕方、南西の空に三日月を見た。 田村隆一の『ぼくの東京』(徳間文庫)は、「東…

デレク・ベイリーの『インプロヴィゼーション』

昨夜、NHK教育テレビで「兵士の物語〜田中泯 砂に踊る」を観た。藤沢周平の小説を映画化した『たそがれ清兵衛』や『隠し剣 鬼の爪』に出演していて、その演技、存在感はすごかった。 デレク・ベイリーが亡くなったという。http://www.mainichi-msn.co.jp/sha…

やなせたかしの話

箱根駅伝の復路を観る。出発から山道を下って行くあたりの風景の変化などと選手の走る様子が面白い。 正午過ぎに川を渡っていると、川にモーターボートが走っていた。橋の方へ近づいて来た。ボートの後ろに水上スキーをしている人がいる。水面を滑っているの…

寝正月

箱根駅伝の往路をテレビで観る。箱根の山道にさしかかったあたりの中継が面白い。 おせちは、正式の四つ重ねの重箱ではなく三段重ねに、ごちゃごちゃまぜてある。黒豆、蒲鉾、数の子。鰤(ぶり)の照り焼き、玉子焼きなど。きんとんのかわりに栗の甘煮、たけ…