2010-01-01から1年間の記事一覧

「マンガのココロ」

雑誌「イラストレーション」2010年9月号、個人特集:長新太「マンガのココロ」。 第一部の土井章史セレクトの長作品と第二部の座談会を読む。 「COO」1号(?)に収録された長新太の見開き作品が掲載されている。「他に中原佑介、河原温、池田龍雄…

ディック・ミネと『鴛鴦歌合戦』

今朝のニュースで連続熱帯夜が21日という。観測史上初だそうだ。 16日夜、ラジオのNHKFMで「真夏の夜の偉人たち ディック・ミネを語ろう」を聴いた。 立川談志と加賀美幸子のお二人の談話のあいだに、ディック・ミネの歌を交えながら番組が放送される。…

『サバンナの記録』

14日、羽仁進監督の映画『ブワナ・トシの歌』(1965年、東京映画、昭和映画、99分、カラー)が上映されたが、お盆で見逃したのだった。 8月プログラムに、 学術調査隊の施設を建てるべく、アフリカに乗り込んだ日本人・片桐俊男。彼は言葉や生活習…

映画『お早よう』

映像文化ライブラリーで小津安二郎監督の『お早よう』(1959年、松竹、94分、カラー)を観た。滑稽味のある映画である。 館内からクスクス笑いが聞こえて来た。 新興住宅地を舞台に、そこに住む家族の付き合い、町内会の会費をめぐるいざこざ、押し売…

広島国際アニメーションフェスティバル2

広島国際アニメーションフェスティバルで、展示を見る。アステールプラザ5階で、「林静一展」、アンリ・クーレフ展「ポリティックスとエロティカ」、「執心と解脱」川本喜八郎の世界、“ヘリット・ファン・ダイク ZEEK展”。 6階で、「カレル・ゼマン展…

ニガウリと蜂

早朝、夜が明けるとニガウリの花に蜂が蜜を求めて集まって来ていた。 すでに先客の蜂が蜜を吸っている。後からやって来た蜂は、あきらめて別の花に飛んで行く。 大きさの違う何種類かの蜂が、どこからかやって来て、夏野菜として植えたニガウリの伸びた蔓(…

第13回広島国際アニメーションフェスティバル

午前3時ごろ久しぶりの弱い雨があった。日の出の頃には晴れていた。 7日は二十四節気のひとつ立秋である。 第13回広島国際アニメーションフェスティバルが、8月7日〜11日まで開催される。 今日は初日で、会場のアステールプラザの4階で「コンピュー…

『回想のモンゴル』2

夜明けとともにセミが鳴き始める。アブラゼミ、クマゼミとにぎやかだ。 梅棹忠夫著『回想のモンゴル』を読みつづける。 モンゴル草原を調査旅行した時のエピソードが興味深いのだが、その話は後でふれることにして、《戦争がおわり、平和がくるとおもったが…

チョウトンボと『回想のモンゴル』

1日、日の出前の午前5時、南の空を眺めると、薄い曇り空であるが、月と木星とが上と下に並んで光っていた。 ふたつの接近した天体が見られるのは珍しい光景だ。夜明け前の心地よい風が吹いている。静かな一日の始まりである。 3日、午前5時30分、下弦…

サアディーの『果樹園』

今月(7月)の平凡社からの新刊でサアディーの『果樹園』が気になる。 いつぞやアボルファズル・ジャリリ監督の『ダンス・オブ・ダスト』と『トゥルー・ストーリー』を観た時に、イラン人留学生によるコーランやハーフィスの詩集がロビーに展示してあった。…

緑陰読書

早朝からクマゼミのシャアシャアシャアという鳴き声が聞こえて来る。樹木の幹の低い場所にいることが多いセミだ。 断続的に鳴くが、なぜか正午前にはピタリと鳴き止む。不思議だ。 「翻(ひるがえ)る蝉の諸羽(もろは)や比枝(ひえ)おろし」(蕪村) 半翅…

「もうろくの詩(うた)」

25日、夜の7時、NHKテレビのニュースで森毅氏死去を知った。 コメントを池内紀氏が語っていた。ご冥福をお祈りします。 生前の森毅さんを偲んで、二年前の『もうろくの詩(うた)』に森さんの心境が書かれていたので再読する。 参照:「もうろくの詩(う…

『丹下左膳余話 百萬両の壺』余話

今日は二十四節気のひとつ大暑です。 早朝、気持ちの良い風が吹く。しかし、蝉の声が聞こえて来る頃には、夏本番の暑さです。 蝉の鳴き声は遠くなったり近くなったりとしながら、昼前にはさほど鳴き声は聞こえなくなります。 時折吹き抜ける風は涼を運んで来…

梅雨明け

12日から14日にかけて雨が降った。梅雨明け前の集中豪雨的な雨だった。 14日の未明から夜明けまえに雷鳴が聞こえた。 17日に今年の梅雨明け宣言があった。 今日は、青空に白い雲。陽射しが強く照りつける。まだ蝉の声は聞こえない。 公園の池のハス…

『大いなる休暇』

ケベックの映画、ジャン=フランソワ・プリオ監督『大いなる休暇』(2003年、110分、カラー、日本語字幕)を映像文化ライブラリーで観た。カナダのフランス語圏の映画である。 「ケベック映画祭2010」のうちの一本。 パンフレットに、 カナダ・ケ…

映画『大菩薩峠』余聞

私が『大菩薩峠』を読み出したのは、そういう状態が何日か続いたあと、ベッドの上で起き直って暫くは座っていられるようになってからである。その小説の冒頭、大菩薩峠を上ってきた老爺と孫娘の二人連れの巡礼が、ようやく頂上に辿りついて、二人はそこで弁…

『人情紙風船』と三村明のこと

10日、「生誕百年記念 山中貞雄監督特集」で、『人情紙風船』(1937年、P.C.L. 86分、白黒)を観ました。『河内山宗俊』は夜の雪の降るシーンと朝の雪の積もったシーンがいいですね。この撮影は町井晴美。 『人情紙風船』は雨に始まり、雨に終わる。…

映画『河内山宗俊』とパラパラ漫画

9日、「生誕百年記念 山中貞雄監督特集」で、『河内山宗俊』(1936年、日活京都太秦発声、81分、白黒)を観に寄った。 甘酒屋のお浪(原節子)は、弟の広太郎が幼なじみの花魁(おいらん)三千歳に同情して連れて抜け出したあと、二人で心中を図るが…

山中貞雄とナンセンス

先日、「生誕百年記念 山中貞雄監督特集」から『丹下左膳余話 百萬両の壺』(1935年、日活、91分、白黒)を観る。 冒頭のクレジットにウェスタン・エレクトリック・システムとあった。 そのためか、75年前の映画だが、フィルムと音声の状態が良かっ…

映画『水戸黄門 血刃の巻』

今日は、雑節のひとつ半夏生(はんげしょう)である。 7月プログラムに、 昨年の生誕百年を機に再び注目が集まるなか、映像文化ライブラリーでも、山中貞雄監督特集を開催します。「丹下左膳余話 百萬両の壺」「河内山宗俊」「人情紙風船」の3本の監督作品…

「美しい本の必要」

今日は梅雨の中休みで曇り空にアジサイの花が見頃である。 夜、NHK教育テレビの番組で「視点・論点」を観る。詩人の長田弘氏の出演だった。 「美しい本の必要」と題して新刊の本の朗読と紹介があった。 花を持って、会いにゆく 人生は森のなかの一日 詩とグ…

雨降りだからミステリーでも

アジサイの季節がやって来た。雨降りだからミステリーでも勉強しよう。 というわけではないが、「特集・ミステリー映画探訪」に通っている。 25日、野村芳太郎監督『配達されない三通の手紙』(1979年、松竹、130分、カラー)が上映された。 6月の…

PACU PACUと赤トンボ

日没が遅くなって、いつまでも明るい。公園の池に赤トンボを見つけた。 ナツアカネだろうか。 赤トンボの一種。アキアカネに似て、夏季は頭・胸部が褐色、腹部が橙色であるが、秋になると、特に雄は鮮紅色になる。六月末から一〇月ごろまでみられる。 『大辞…

河村黎吉と森繁久彌

21日は二十四節気のひとつ夏至だった。 蕪村の句に、「明けやすき夜や稲妻の鞘ばしり」。 6月26日に、晴天であれば部分月食が見られる。食最大は午後8時半ごろ。 新刊の小林信彦著『森繁さんの長い影――本音を申せば』(文藝春秋)には、「週刊文春」連…

松本清張展2

「特別展 松本清張 〜清張文学との新たな邂逅〜」 《この作家を培った前半生と、膨大な作品を生み出した後半生を軸に代表作の言行や取材メモ、直筆原稿を展示し、松本清張の魅力やその精神性に迫ります。》 展示構成は、 1、思索と創作の城 2、小倉時代の…

チョウトンボとミステリー映画

チョウトンボを見た。池のハスの枯れ枝の先に止まっていた。 羽化したばかりだろうか。翅(はね)の形と色が特徴的なトンボだ。蝶のようなトンボ? 昨年も見たので、この池が生息地になって定着しているようだ。 しかし、個体数は少ないですね。 今月は「ミ…

松本清張展

公園の池でクロイトトンボがハスの葉や睡蓮の葉のあちこちに見られた。 ひっそりと葉に吸い付くように止まっている。静かなトンボ。 一方、水面に一定の高さでオニヤンマが高速で飛び回っている。ぐるぐると何度も同じところを旋回している。オニヤンマは瞬…

『マイ・バック・ページ』の目次

公園の池に寄ると、騒々しい声が聞こえて来た。牛の鳴くようなモォー、グーグルー、クククー、ゲー、ゲゲーと鳴き声が水辺からする。池の縁に大きな蛙を見つけた。 池にはクロイトトンボが多い。尾の青紋が宝石のような青い色だ。 水面を観察していると、大…

「石の来歴」と「三つ目の鯰」

背丈の高いタチアオイが大きな花で咲いている。紅・白・淡紅と鮮やかだ。 13日の深夜に、小惑星イトカワの砂などが入っている可能性のあるカプセルを持った探査機はやぶさが地球に帰還する。 10日の朝日新聞の「天声人語」に、奥泉光の「石の来歴」の冒…