2008-01-01から1年間の記事一覧

「新・話の泉」

快晴で昼は残暑が厳しい。ツクツクボウシが鳴く頃になった。 夕方公園の池へ寄り道する。 ハスの葉に小さな糸トンボがいた。3センチほどのサイズだ。 日が暮れると涼しい。南の空に木星と月が接近しているのだった。 夜、ラジオのスイッチを入れると、「新…

アンタレスの夜

《天然老人生活のブログを始めましたので、宜しかったらご覧下さいませ。》というコメントを7月30日の日記に、秋山祐徳太子氏の勝手に広報部長のdalicoさんからもらった。 参照:「天然老人生活のブログ」http://yutokutaishi-akiyama.blog.so-net.ne.jp/…

京漬物

街路樹のナツメの実が赤く色づきはじめる。 日が暮れると草むらから虫の鳴く声が聞こえるようになった。 蕪村の句に、「身の秋や今宵をしのぶ翌(あす)もあり」。 しばらく前から完全にトイレの水が止まらなくなった。図書館で『自分でできる家の修理と模様…

「新・話の泉」を聴く

夕方、日が暮れると南西の地平線近くに三日月が沈みかけていた。北からの風が吹く。 蕪村の句に、「唐きびのおどろき安し秋の風」。*1 昨夜(2日)、NHKラジオの「新・話の泉」を途中から聴いた。 ちょうど、悲憤慷慨「世の中審議会」が終わるところだった…

岡田露愁 木版画画集「魔笛」のこと

8月4日と25日の「本はねころんで」で、「湯川書房 限定本刊行目録(未完)」を見ていると、ちょっと確かめたくなりました。 《岡田露愁 木版画画集「魔笛」モーツアルトのオペラによる限定99部、600×475表紙平木版画 岡田露愁(オリジナル木版画53葉)19…

映画『青の稲妻』

ジャ・ジャンクー監督の映画『青の稲妻』(2002年、中国・日本・韓国・フランス、112分、カラー)を映像文化ライブラリーで観た。観客は20人ほど。 原題は「任逍遥」。 冒頭、オートバイで街中を駆ける若者の姿から始まる。このシーンは長くつづく…

ジャ・ジャンクー監督の『プラットホーム』

雨上がりのハスの葉に水滴が残っていた。触ると今にもこぼれ落ちそうだ。 今月(8月)は、「アジアの俊英 アピチャッポンとジャ・ジャンクー」の二人の監督を特集している。 27日、ジャ・ジャンクー監督の『プラットホーム』(2000年、日本・フランス…

『林達夫・回想のイタリア旅行』を読む

処暑を過ぎると朝晩が涼しくなる。紫蘇の葉に蝶がやって来た。 田之倉稔著『林達夫・回想のイタリア旅行』(イタリア書房)を読み終える。 一九七一年七月七日に始まって、八月にかけてフランス、イタリアで自動車旅行の運転手を担当した田之倉さんの目に映…

湯豆腐

NHK教育テレビの「新日曜美術館」で、王羲之(おうぎし)の書「蘭亭序」(らんていじょ)がなぜ書の最高峰といわれるのかを興味深く観る。 ゲストに書家の石川九楊、柿沼康二のお二人が出演。「蘭亭序」の魅力を語る。 ひと言で言えば美しい。書き手の胸のう…

「大貫妙子〜懐かしい未来〜」

23日は、二十四節気のひとつ処暑である。暑さが落ち着く時期ということらしい。 朝晩は涼しくなる。街路樹のナツメの木の実が鈴なりだ。 蕪村の句に、「いなづまや堅田泊りの宵の空」。安永三年八月一〇日の句である。*1 昨夜、NHKFMラジオで「大貫妙子〜…

映画『真昼の不思議な物体』

アピチャッポンとジャ・ジャンクーの二人の監督の映画が、今月(8月)映像文化ライブラリーで上映されている。 21日、タイの監督アピチャッポン・ウィーラセタクン*1の映画『真昼の不思議な物体』(2000年、タイ、83分、白黒)を観た。 冒頭、バン…

丸山眞男のヒロシマ

葉っぱの「歩行と記憶」で、「丸山眞男のヒロシマ」が公開されているのを知る。 丸山眞男『回顧談 上』(岩波書店)を読んで、丸山眞男が転属していた宇品の陸軍運輸部船舶司令部のあった所を訪れたことがある。今は建物は無くてテニスコートのある公園にな…

ジャ・ジャンクー監督の『一瞬の夢』

蝶が花の蜜を吸うところを観察する。調べると蝶はツマグロヒョウモンの雌のようだ。 熱帯夜が去って朝晩が涼しくなる。このところニガウリを毎朝収穫する。 蕪村の句に、「温泉(ゆ)の底に我足(わがあし)見ゆる今朝(けさ)の秋」。 昨夜、NHK教育テレビ…

梅園と麻田剛立のこと

18日の朝日新聞に「なにわ科学の源流」というタイトルで、「麻田剛立」を紹介していた。 《剛立は誰から医学を学んだのか、はっきりしない。天文学も誰が師なのか分かっていない。終始、独学の人であったのかもしれない。大阪では医師で身を立てながら、天…

イエラ・マリの『まあるい まあるい』

今朝、カンナが咲いた。大きな葉の緑と花の色が鮮やかだ。 イエラ・マリの『まあるい まあるい』1995年(ほるぷ出版)を開いて見る。 同じ本が2005年のブロンズ新社刊では、「まるい まあるい」とタイトルが変わっている。 まあるいものって、おひさ…

「ほたるさわ」

14日の未明から早朝にかけて激しい雷雨があった。眠っていて分からなかったが停電したらしい。 夕方、公園の池に寄る。雨上がりにハスが一輪。睡蓮の葉にトノサマガエル。 カエルたちにとって雨は歓迎のようだ。静かな池。 菊池日出夫「ほたるさわ」(「こ…

世になき友を算(かぞ)ふ

涼しい早朝に墓参りに出かける。暑くなりだしてからもう一箇所の遠方へ墓参りに行く。 道中、残暑が厳しい。冷たい麦茶を入れた魔法瓶を携行する。ぐびぐびと飲む。帰宅すると、お盆で姪っ子らが来訪。 蕪村の句に、 秋夜閑窓のもとに指を屈して、世になき友…

朝がほや一輪深き渕のいろ

立秋が過ぎてアサガオの花は、今が盛りと咲いている。 今朝のアサガオは落ち着いた色の花でふちが白い。じっくり眺める。 園芸店で選んだ苗が、育って美しい花をつけるのは嬉しいものだ。 蕪村の句に、「朝がほや一輪深き渕のいろ」。 先週から田之倉稔の『…

水と魚の大会

夕方6時から始まるのだが、少し前にアステールプラザに着いて、アニメ関連の仮設の店を見ていると、そのうちの一軒にどこかで見たことのあるような人が・・・。 漫画家でアニメ作家の久里洋二さんが、浴衣(ゆかた)を着た男のひとと並んで店の人と話してい…

貧乏に追つかれけりけさの秋

7日は、二十四節気のひとつ立秋だった。 蕪村の句に、「貧乏に追(おひ)つかれけりけさの秋」。明和八年七月三日の句である。 夕方、公園の池でコンクリートの縁にトンボを見つける。シオカラトンボのようだ。近づくとトンボは離れるが、しばらく空中にい…

「隠し砦の三悪人」

夕方、公園の池で睡蓮の葉に、小さなカエルがいた。鳴き声もせず、あたりはセミの声がするばかりである。 黒澤明監督の映画『隠し砦の三悪人』(1958年、東宝、139分、白黒)を映像文化ライブラリーで観る。 御家再興の軍用金を持って、同盟国へ脱出…

知るを楽しむ

昨夜、NHK教育テレビの「知るを楽しむ 私のこだわり人物伝」で、「永井荷風“お一人さま”の天才」を観た。第1回は「シングルこそのグルメ道」というタイトルで、ゲストは坪内祐三氏。 永井荷風の日記『断腸亭日乗』からの引用あり。銀座路地を坪内さんが歩き…

「新・話の泉」を聴く

連日の熱帯夜で、朝からはセミが鳴き始める。 蕪村の句に、「半日の閑(かん)を榎(えのき)やせみの声」。明和三年六月二日の句である。 夜、NHKラジオの「新・話の泉」を聴いた。 出演者は立川談志、山藤章二、嵐山光三郎、毒蝮三太夫、松尾貴史の各氏で…

シェーの時代

街路樹の桑の木の葉っぱを手にとって見る。マウスパッドほどのサイズだ。 クワ科クワ属の落葉高木の総称。ヤマグワ・カラグワ・ロソウなどで、品種も多い。葉は卵形で先がとがり、切れ込みのあるものもある。雌雄異株が普通で、四月ごろ、淡黄緑色の小花が集…

ゴーヤと「敗戦日記」

早朝、ゴーヤを収穫する。32センチと30センチ。夜が明けるともうセミが鳴きだす。 先週26日、名作映画「小林桂樹特集」の一本で堀川弘通監督の映画『激動の昭和史 軍閥』(1970年、東宝、134分、カラー)を映像文化ライブラリーで観た。小林桂…

「新・話の泉セレクション」

夜、NHKラジオで、「新・話の泉セレクション」と題した夏季特集番組の「新・話の泉」のアンコール放送があった。 もう一度聴きたいという好評だった話から選んでいる。 今夜は第一夜で、明日は第二夜と連続放送である。出演者は立川談志、山藤章二、嵐山光三…

もうろくの詩(うた)

秋山祐徳太子『天然老人』(アスキー新書)の巻末の対談が赤瀬川原平とだったが、ブリキ男の方に肩入れしながら読んだ。 老人力よりも天然のほうに自在さがあるような気がしないでもない。 読んでから気づいたのだが、あと高梨豊さんがおられる。お二人はラ…

月は東に

早朝にゴーヤを収穫した。これで何本目か。ゴーヤはぐんぐん伸びる。 明るくなるとセミが鳴き始める。正午ごろの気温が三十四度。暑い。 蕪村の句に、「大仏のあなた宮様せみの声」。*1 午後二時に雷雨あり。短時間降った。じきに夏の青空と暑さに戻る。 夕…

「自然に親しむ」を聴く

ラジオ深夜便で「ないとガイド」の「自然に親しむ」を聴く。今夜は明石 勇アナウンサーの担当日である。二ヶ月ぶりに内山節氏がゲストだった。 聴こうと待っていたが、少し眠っていた。気がついて耳を傾けると、ジャガイモをめぐる談話が展開されているとこ…

成瀬巳喜男監督の『女の中にいる他人』

名作映画「小林桂樹特集」で、成瀬巳喜男監督の映画『女の中にいる他人』(1966年、東宝、102分、白黒)を映像文化ライブラリーで観た。観客は35人ほど。 東京の新世紀書房という出版社へ勤めている田代(小林桂樹)が、冒頭で雨の中の歩道を歩いて…