2011-01-01から1年間の記事一覧

おっとり蛙

雨のち曇り。夕方、公園の池に睡蓮が見事に咲いていた。 蛙も姿を見せていた。 睡蓮の葉の上に鎮座しているもの、頭の部分を水面から出して浮かんでじっとしているものなど散見される。睡蓮の葉に座っている様(さま)が、おっとりしている。 その姿から殿様…

日食と月食

昨夜のNHKラジオ深夜便の「ないとガイド」は、「星空見上げて」で、ゲストが縣秀彦氏。 徳田章アナウンサーの担当日である。 6月2日にある部分日食の話題から談話が始まった。 日本では、東北・北海道の日の出直後の低空で見られるそうだ。 今年は、月食の…

豚を三匹とクロイトトンボ

昨夜、NHKラジオ深夜便の「人生わたし流」が、柴田祐規子アナウンサーの担当日で、ゲストは「身体のいうことを聞いてみた」と題して、内澤旬子さんが出演していた。 興味深く、二人の談話を聴いた。近況で、豚を三匹飼って育てて食べたという話が印象深かっ…

イトトンボと歌を売る

五月の中旬の乾いた風の吹く日だった。 夕方、公園の池に立ち寄る。池から十五メートルくらい離れた花壇を背にして、立ってギターを弾いている若い男がいた。 その歌を聴きながら水面を眺める。睡蓮の花がひっそりと咲いていた。 今年初めて見た。 水面のあ…

シモーヌ叔母さんと姪(めい)

21日は、二十四節気のひとつ小満である。 草木がしげって天地に満ちるという意味があるようだ。 朝、NHKラジオの「ラジオ文芸館」の放送があり、黒崎めぐみアナウンサーの朗読で、 川上弘美の「春立つ」を聴く。耳で聞く小説。 シルヴィ・ヴェイユ著『アン…

児玉清さんと『悪い奴ほどよく眠る』

俳優の児玉清さん死去をテレビニュースで知る。 デビューした当時の映画で黒澤明監督の映画『悪い奴ほどよく眠る』に、新聞記者役で出演していると、この映画でのシーンを映していた。ああ、あの冒頭のシーンの記者の一人に児玉清さんが出演していたんだなぁ…

「日曜美術館」で「夢の国芳 傑作10選」

朝、NHK教育テレビの「日曜美術館」で「夢の国芳 傑作10選」を観た。ゲストが篠田正浩さん。 三枚つづきの絵の大胆な構図、マンガを読んでいるような一瞬一瞬の動きのある絵。 影絵で、表と裏に描かれた絵の違いに驚く楽しさがある。 あるいは団扇(うちわ…

F・O・マシーセンのこと

新緑の季節で風が爽やかに吹く。連日の雨が上がって、乾いた風が気持ちよい。 もみじの赤い葉が鮮やかだ。夏を迎える頃には、もみじは黄緑色へと変っていく。 カエデ科カエデ属の落葉高木の総称。葉は多くは手のひら状に裂けていて、秋に紅葉または黄葉(こ…

測量とアメリカ

「サトチョンの翻訳日記」の「ピンチョン通信」によると、〈トマス・ピンチョン全小説〉次回配本『競売ナンバー49の叫び』の刊行が、震災によるインクと紙の不足で当初の計画から一ヶ月延びて7月になるそうだ。 参照:「ピンチョン通信」http://sgtsugar.se…

『ゴダールのマリア』

6日は、二十四節気のひとつ立夏です。暦(こよみ)のうえで、夏がはじまる日。 この季節は、ツツジが美しい花で楽しませてくれる。 五月は、昨年の四月に亡くなった北林谷栄さんの「北林谷栄特集」と「ジャン=リュック・ゴダール監督特集」の二つの特集が…

『子規、最後の八年』

来月(6月)の新刊で、坪内祐三著『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り 漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代』が新潮文庫で文庫化されるようだ。 それはさて置き、慶応三年生まれの旋毛曲りの一人、正岡子規をめぐる本を手に取った。 新刊で、…

八十八夜

1日、夕方のまだ明るい頃に、黄砂におおわれて視界2〜3キロメートル位で、遠くの山が霞んでいた。 馴染みの園芸店で野菜の苗を購入。大葉、伏見甘長トウガラシ。 (先日、ゴーヤ・空心菜・万願寺トウガラシなど) 2日、雑節の八十八夜である。立春から数…

『続 夫婦善哉』のこと

昨夜、NHKラジオの「大分発ラジオ深夜便」という番組を聴く。 馬券に当たって夢を与える場所として別府に来て商売をやるのですが、うまく行かないし・・・と、出演者(重岡徹氏)が語っているところから聴いた。 織田作之助の小説「続 夫婦善哉」についての…

奈良七重七堂伽藍八重桜

昨日の夕方より天気が回復する。今日は西より風が強く吹き続ける一日であった。 天には青空が広がり、地には草木の若葉がみずみずしい。 花弁(はなびら)が多く重なっている八重桜が満開で、風に吹かれている。 八重咲きのサトザクラ。ヤマザクラから変化し…

杉江敏男監督の映画『ジャンケン娘』

今月の9日、映像文化ライブラリーで「特集・音楽映画への招待」の一本、杉江敏男監督の映画『ジャンケン娘』(1955年、東宝、92分、カラー)が上映された。 館内は満席。 プログラムに、 美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみの3人娘が、この作品で初…

蒟蒻につゝじの名あれ太山寺

天気は、小雨、曇り、小雨。 早朝ラジオでキャンディーズの三人のひとりだったスーちゃんの訃報ニュース。 小雨の中ツツジが咲き、花弁(はなびら)が濡れている。 明治二十五年の子規の句に、「蒟蒻(こんにゃく)につゝじの名あれ太山寺」。 前書きは、伊…

伊勢の海の魚介豊かにして穀雨

今日は、二十四節気のひとつ穀雨で、透き通るような青空が広がっている。 ソメイヨシノは散って葉桜になっていた。八重桜は今が盛りである。 穀雨とは、『大辞泉』によると、《穀物を育てる雨の意》とあり、引用句は「伊勢の海の魚介豊かにして穀雨」(長谷…

地球の上に朝がくる2

午前の小雨の後、夕方に晴れ間が見え、月が東の空に低く昇って来ていた。 今宵は満月である。この時期は小雨が多い。 そういえば、20日は二十四節気のひとつ穀雨である。 地球の上に朝がくる その裏側は夜だろう 西の国ならヨーロッパ 東の国は東洋の・・…

地球の上に朝がくる

木蓮(モクレン)が花盛りで見頃です。花弁(はなびら)は空の方へ向いて紫色が鮮やかです。花は風にゆれている。 モクレン科の落葉低木または亜高木。よく分枝し、三、四月ごろ、葉に先だって紫色の六花弁を上向きに開く。実は集合果で、熟すと裂けて赤い種…

『悲しき口笛』と『東京キッド』

今月は「特集・音楽映画への招待」が映像文化ライブラリーで始まっている。 3日、家城巳代治監督の映画『悲しき口笛』(1949年、松竹、83分、白黒)を観に寄る。 満席で立ち見が出るほど盛況であった。 プログラムに、 美空ひばりの銀幕における初期…

肩の力を抜くこと

先日、週末の公園は花見客で賑(にぎ)わっていた。 今日は朝から晴れて青空がどこまでも広がっている。 清らかな明るさ。二十四節気のひとつ清明である。春分から十五日目である。 夕方、公園の桜を見る。満開だった。週末まではソメイヨシノは見頃だろう。…

『食味風々録』を聴く

街路樹の枝垂れ桜(シダレザクラ)が、咲き出した。 青空に、淡紅色の桜の花弁(はなびら)が見事だ。 バラ科の落葉高木。ウバヒガンの変種で枝先が垂れ下がるもの。三月上旬に淡紅白色の花を開く。紅色の花をつけるベニシダレなど品種も多い。糸桜。しだり…

『バルテュス、自身を語る』

ソメイヨシノのつぼみが紅色に色付いている。ふっくらとしている。 桜の開花はもうすぐである。 朝日新聞の読書欄で、『バルテュス、自身を語る』(河出書房新社)を横尾忠則氏が書評していた。 横尾氏の書評を興味深く読む。末尾に、ちょっとだけリルケにつ…

「素顔の子規〜正岡子規の楽しむ力」

昨夜のラジオ深夜便で、「素顔の子規〜正岡子規の楽しむ力」と題した坪内稔典氏へのインタビューを興味深く聴いた。 いくつか耳に残ったものの聞き書きです。まず、とても丁寧な構成で番組が作られている。 小学生の上級生くらいから仲間と回覧雑誌を出し始…

おじさん・おばさん論

街路樹の椿が咲きはじめた。高さは五メートルほど。ツバキ科の常緑高木だ。 葉に艶(つや)があり、花弁は五枚。 多くの雄しべが、湯のみ茶碗のような形をした花弁(はなびら)の中央に見られる。 子規の句に、「ひねくりし一枝活けぬ花椿」。明治二十九年の…

ふらふらと行けば菜の花はや見ゆる

21日は二十四節気のひとつ春分で、最高気温13℃。今日は11℃だった。 良く晴れた青空に菜の花が咲いていた。北風は冷たいが、陽射しは温かい。 風にゆれる黄色い花弁(はなびら)が春を感じさせる。 風に吹かれて、ふらふらと花がゆれる。 子規の句に、…