2005-01-01から1年間の記事一覧

結城昌治の句集と火星と月

夕方うす曇り、月と火星が見えなかった。火星が地球に大接近していることだし、晴れた日には月と火星をじっくり眺めてみよう。 先日、古本屋で結城昌治の『死もまた愉し』2001年(講談社文庫)を見つけた。「定本 歳月」と「余色」という二つの句集が、…

奥野良之助の『金沢城のヒキガエル』とアオサギ

正午過ぎに橋を渡っているとき、一羽のアオサギを見た。川の中に立てられている海苔のひびの竹につかまって止まっていた。頭部に冠羽が垂れ下がっている。日光浴をしているのかな。いつもよく見かけた海鵜は見かけなかった。今西錦司ではないが、彼らは棲み…

厳島神社で菊花祭、舞楽を観る

宮島へ渡る連絡船のデッキに上がって空を見れば、南西の空に宵の明星があった。東の方には月が高く昇っていた。ほぼ満月かな。 厳島神社へ行く途中、やまだ屋へ寄った。帰りが遅くなると店が閉まって買えなくなるので。もみじまんじゅうを店頭で買う。いろい…

円山応挙と大乗寺

夕方、西の空にひつじ雲が一面に広がっていた。南東の方には月が昇っていた。 アオサギが川に泊めてある小型の船をつなぎとめる浮きに、一羽がちょこんと乗っていた。夕暮れ時にアオサギがそうした浮きなどの上にたたずんでいるのをよく見る。先日から見かけ…

上弦の月と蕪村の俳句

上弦の月が晴れ上がった夜空に眺められた。 蕪村の句、「名月や神泉園の魚躍る」ではないが、川を渡るときに真南に月の右半分がかがやいていた。満月まで、あと一週間だ。 「ニューヨーク・バーク・コレクション展」で拝観した蕪村の絵。アメリカ独立戦争の…

「ニューヨーク・バーク・コレクション展」の与謝蕪村

「ニューヨーク・バーク・コレクション展」を観る。縄文・弥生土器から桃山・江戸時代の絵画まで110点ほどを堪能する。陶磁器もあった。本阿弥光悦、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、円山応挙、伊藤若冲、曾我蕭白、長沢蘆雪、池大雅、与謝蕪村の作品をじ…

リチャード・ブローティガンの訳者、藤本和子さん

秋晴れ。正午過ぎに橋を渡っている時に鵜が泳いでいるのに出合った。すっと伸びた首すじと長く大きめのくちばしが特徴かな。様子を見ていると、さっと川へもぐった。もぐるとなかなか浮かび上がってこない。潜水時間が思ったより長いね。鵜は群れていなくて…

「鵜の目鷹の目」と田中小実昌の『世界酔いどれ紀行ふらふら』

正午過ぎ、川を渡る橋の上から水面を眺めると水鳥が泳いでいた。この三日ほど見かける水鳥だ。最初の日に見かけた鳥は、水中へもぐり浮かび上がると嘴(くちばし)に魚をくわえていた。羽(はね)の色はカラス色。くちばしは長く大きい。鵜飼の鵜にそっくり…

『物くさ太郎の空想力』と『クラウン仏和辞典』

多田道太郎は『物くさ太郎の空想力』1980年刊(角川文庫)の「語学趣味」で、 戦争中、私は群馬県の中島飛行機の工場へ勤労奉仕にやらされた。友人に一人、奇特なのがいて馬鹿でかいリュックサックをかついできている。食料でもつめこんできたのかと皆で…

『2001年宇宙の旅』と『パルプ』

川を渡る途中で上から眺めると、水面で魚が跳ねていた。 一匹、二匹。しばらくしてもう一匹、川の魚が空気中へ身を乗り出している。 ちょうど人類が地球から月へロケットで飛んで行くときのことを連想した。映画『2001年宇宙の旅』の冒頭の猿人が空へ骨…

黒田敬子展と坂田明のサックス

ギャラリーとカフェをやっている袋町芸術館で、『黒田敬子展』を観る。店内はカウンターに人が数人ほど座っていて、展示されている作品の前で見に来た人が二人、黒田さんと作品をめぐっての話などをされていた。入り口近くに展示されている立体のオブジェの…

メタセコイアと安原顯の「編集力」

街路樹に背の高い木がある。以前から気になっていた。高さは、ざっと見るところ20メートルを越えるか。その木の根元へ近寄ってみた。 根回りは太いところで3メートルほどはある。この樹の名札が根元から1メートルくらいの位置に取り付けられている。「メ…

多田道太郎の『ことわざの風景』と脱走の記

多田道太郎は『ことわざの風景』1984年刊(講談社文庫)*1のまえがきにあたる「ことわざの知恵」で、 ことわざはレトリックの萌芽形態である。そしてまた、ことわざはレトリックの行きつくはてでもある。たとえば、怠惰と遊びとレジャーとを論じて、けっ…

満月と歌う人

夕暮れ時、月が東にのぼっていた。満月だ。数日前まで西の空に低く明るく輝いていた金星は雲のためか見えなかった。 公園の池へ寄り道してみた。あたりは暗くなりかけていた。カエルがコンクリートの縁に池の方を向いてじっとしていた。いままで見たカエルで…

MAC時代の松岡正剛さん

稲垣足穂の『弥勒』や『一千一秒物語』を読む前にタルホに出会っていた。 『ハイスクールライフ』という高校生向けの新聞で。この新聞はタブロイド版の大きさで無料で配布されていた。最初に入手したのは学校の図書館だったように思う。 この新聞は読書新聞…

オニヤンマと稲垣足穂の『弥勒』

快晴。日中は暑かった。朝も気温が高かった。 公園の池へ寄り道してみた。陽射しが強い。コンクリートの縁に蓮の葉で陰になった部分に小さな蛙がいた。陽射しを避けているようだ。池の縁のコンクリートのそばの土に、蟹の巣穴があった。水辺から20センチほ…

『ざくろの色』と歌を聴くカエル?

早朝に投票を済ませた。 日中は陽射しが強く暑い日だった。夕方、街路樹にざくろの木を見つける。いままで気がつかなかった。ざくろの実が、鈴なりにぶら下がっている。ざくろの色は赤くなっているのもあるが、まだ完熟した色にはなっていない。 このざくろ…

ナツメの木と長谷邦夫の『漫画に愛を叫んだ男たち』

昨夜、コオロギが何匹かが交互に鳴いていた。リーリーリーと澄んだ鳴き声だ。姿は見えねどもその声に秋を感じる。朝のアサガオは紫が蔓(つる)にとびとびに咲いていた。白に赤の混じった色、絞りになった色のアサガオも目を楽しませてくれる。 街路樹のナツ…

カエルと加藤秀俊の『隠居学』

台風は通り過ぎた。アサガオの花がしな垂れていた。午前中は雲が多かったが、ゆっくり晴れ間が見えてきた。気温が上がる。 夕方、公園のハスと睡蓮の池へ寄り道してみた。ハスの葉はところどころで、茶色に枯れたものがあった。ハスの実は水面へ落下したのか…

コオロギと雑誌の黄金時代

曇り時々雨の一日。夜になってリーリーリーと鳴く虫の声がする。 コオロギだ。リーリーリーを聴いていると、突然鳴き声が止む。静かになる。 しばらくしてリーリーリーと鳴きはじめた。 コオロギの声に秋の訪れを感じる。 『ユリイカ』2005年8月号は、…

ナツメの実と雑誌の黄金時代

朝、涼しくなった。快晴。紫のアサガオや黄色いカンナが咲いている。 正午過ぎに、通りで蜂に出くわす。顔の前に急に現れて飛び去って行った。ひやっとした。 足が長かったので、アシナガバチのようだ。興奮している蜂には近づかないようにしよう。 街路樹に…

追悼・永島慎二の世界と『のんき新聞』

早朝のアサガオを見るのは気持がいい。蔓(つる)が上へ高く伸びている。紫のアサガオの花がその蔓にとびとびに咲いている。 正午過ぎに通りでトンボの群れが、そばに近寄って来た。2メートルくらいの高さをすいすい飛んでいる。アカトンボのように見えるけ…

ナツメの木とトノサマガエル

アゲハチョウがふらふら通りを横切ってゆく。街路樹に百日紅(さるすべり)の木が植えられている。白い花で満開だ。木の高さは10メートルほどもある。 街路樹の中にナツメの木もあった。大きな木で、これも高さが10メートルを超える。 このナツメの木に…

編集者と雑誌の黄金時代

蝉の鳴き声、朝は聞こえてこない。静かな朝に戻った。静かなと言っても無音というわけではない。 クルマが走る音、スクーターなどの二輪車のエンジンから出る音が混じって聞こえてくる。鳥のさえずり、人の声などもする。 夕暮れ時に街なかで虫の鳴き声を聴…

雑学と雑誌の黄金時代

朝からの蝉しぐれが、この数日は静かになった。 正午すぎに、幅広い道を横切ろうとしているチョウを見つけた。 風上に向かって飛んでいた。青いスジの模様のあるアオスジアゲハ。 ふらふらとかなり強い風に向かって飛んでゆく。そして、とうとう渡り切って見…

『旅』と雑誌の黄金時代

『ユリイカ』2005年8月号は特集・雑誌の黄金時代。 「雑文家渡世」というタイトルで、四方田犬彦と坪内祐三が対談している。 坪内 『朝日ジャーナル』は、『展望』や『思想の科学』とは逆に、決して一代の雑誌じゃなかったのを、無理矢理中絶させてしま…

メダカと雑誌の黄金時代

蝉の鳴き声が以前より静かになった。街路樹の幹にアブラゼミを見かける。 夏至のころから生きものを観察している公園の池へ、寄り道した。 ハスの葉が伸びて成長していた。睡蓮は、くたびれたようになっていた。睡蓮のつぼみが水中にひとつあった。 その睡蓮…

ヨットとオートバイによる痛快紀行

朝早くから蝉しぐれ。アサガオの花が増えた。カンナの黄色い花も咲き続けている。 午後3時ごろ、雷雨になった。夕方には雨あがる。 古本屋へ寄ってみる。相変わらず、売場を狭めてゲーム機を並べて大きな音を鳴らしている。文庫本を2冊、買った。各100…

菊池日出夫の『さんきちのカッパ』

お盆の初日だが、墓参りは例年すこし早めにすませている。 6日の早朝にまだ涼しいうちに墓参りに行った。道中、青いアサガオが沢山咲いている路地を通った。早朝だが、墓参りの人が多かった。花を持って行く。枯れた花を除き活ける。午後には、別の墓所へも…

上弦の月とコガネムシと深沢七郎

夕暮れの空が、ピンク色と青い空の色とのまだら模様の夕焼けになっていた。南の空には月が登っていて上弦の月になるところだった。しばらく見ていると、夕焼けははかなく消えていった。 夜、コガネムシが飛来する。テーブルに着陸。 先日は、キリギリスが台…