2007-01-01から1年間の記事一覧

荻上直子の映画『めがね』のこと

22日から公開されている荻上直子の監督・脚本の映画『めがね』を観る。シネツイン2で、最終回だった。観客は三十人ほど。 映画館へ行く前に、ブックオフで、 たむらしげる『サボテンぼうやの冒険』(偕成社)装幀・内澤旬子。 水上勉『精進百撰』1997…

「新・話の泉」の「秋の拡大スペシャル」を聴く

NHKラジオで、「新・話の泉」という番組の「秋の拡大スペシャル」を途中から聴く。 今夜は、立川談志、山藤章二、毒蝮三太夫、嵐山光三郎、松尾貴史、山本益博が出演。 ちょうど、第二部の「悲憤慷慨世の中審議会」が始まったところだった。「親の顔が見たい…

阿川弘之の『新編 南蛮阿房列車』のこと

アーバンビューグランドタワー公開空地内のギャラリーGで、「はまぐちさくらこ個展」を観る。最終日で、会場は終了間近だったので観客はいなかった。絵本のなかに入り込んだような雰囲気だ。不思議ないきものたちが、壁に散りばめられているような展示。 手…

堀文子『花のスケッチ帳』

彼岸が過ぎても、残暑がきびしい。今日も、気温が三十三度あった。 街路樹のナツメの木は、熟して赤くなった実をつけている。見事な光景だ。鳥が盛んに食べにやって来ている。 ナツメの花は小さな花弁で(二、三ミリ)、黄緑色をしている時期がある。実は食…

「植草さんの錬金術」のこと

早朝にニガウリを収穫する。大きさは、先日のニガウリとほぼ同じくらいだ。 夕方、南南東に上弦の月が眺められた。晴れていて、きれいな半月である。 昨夜、NHK教育テレビの「視点・論点」を観た。「“楢山節考”のこと」と題して、蜂飼耳がおりんの楢山へ向か…

エリザベス・ショーの絵本『こひつじクロ』

エリザベス・ショー作・絵の『こひつじクロ』ゆりよう子訳(岩崎書店)を読む。 羊飼いのおじいさんと犬のポロのお話です。 ポロはしっかりもの ひつじの番をポロにまかせると、 おじいさんは、岩にこしかけてあみものを始めます。 くつした、マフラー、セー…

エリザベス・ショーの絵本

今朝の朝日新聞に、「田村隆一は終わらない」と題した記事があった。「言葉のない世界を言葉に」という岸田衿子さんの文が興味深い。 その中から、一部引用。 《人を喜ばすのが好きで、落語を聴いているようでした。若い時、落語家になりたかったのに身長が…

「新日曜美術館」を観る

NHK教育テレビの「新日曜日美術館」で、「日々、いのち新たに 日本画家・堀文子 89歳の鮮烈」というタイトルの番組を観た。 「花の堀文子」と言われているそうだ。 ブルーポピーの花を求めてヒマラヤの岩場へ、ヘリコプターで飛んで行った映像もあった。生…

山田風太郎の『わが推理小説零年』のこと

イチジク畑に実が熟しはじめている。ほんのり色付いていた。 午後、散髪の終わった後、理髪店に置いてある週刊文春の九月二十日号を読む。雑誌はこういう読み方も愉しい。 小林信彦の「本音を申せば」を読んだ後、坪内祐三の「文庫本を狙え!」などに目が行…

フヨウの花

フヨウの花が咲いている。淡紅色の大きな花弁だ。 フヨウとムクゲの花は似ている。較べると、葉の大きいのがフヨウ、小さいのがムクゲと言えようか。 「出版ダイジェスト」No.135が届く。 黒田龍之助の「語学書のことば」が、清岡智比古『フラ語デート会話、…

鵯のこぼし去りぬる実の赤き

街路樹のナツメの木が、紅く色付いて来た。実をついばみに、鳥が来ている。樹下の草むらに、紅い実が散らばっていた。 蕪村の句に、「鵯(ひよどり)のこぼし去りぬる実の赤き」。 安永四年の句である。 九月十一日は、部分日食が南アメリカ、南極大陸で見ら…

ラジオ深夜便「自然に親しむ」を聴く

通りの街路樹の生垣に花が咲いている。蜂が花から花へ飛びまわっている。小さな蜂もいるが、ずんぐり大きな蜂がいた。 二センチを越えるくらいで、背中に黄褐色の毛が生えて胴が黒いクマバチだ。花から花へ渡り歩いている様子。 ラジオ深夜便で、ないとガイ…

染あへぬ尾のゆかしさよ赤蜻蛉

朝晩の吹く風が涼しくなった。夜明けの空を見上げると、なにやら黒いものが飛んでいる。何匹かのコウモリだ。夜と朝のはざまに飛びまわっているのだった。 九月八日は、二十四節気のひとつ白露である。秋分の十五日前で、この頃から秋らしくなると。蕪村の句…

ニガウリの収穫

早朝、ニガウリを収穫する。大きさは二十三センチあった。黄色くなったものは、枝に残す。 この夏、ゴーヤーチャンプルーや天ぷらといった料理でよく食べた。 台風の影響なのか、気温が36.9Cを記録した。午後四時ごろににわか雨で、風も一時強く吹いたが、夕…

鷲田清一の『京都の平熱』とシオカラトンボ

先日の池でトンボを見かけた。シオカラトンボのようだ。睡蓮の葉がつやつやと水面に広がっている池にいた。そばで、じっくり眺めると、トンボは翅(はね)を前に寄せてとまっているのだった。 トンボ科の昆虫。中形で最も普通のトンボ。四〜九月に現れ、成熟…

荻野アンナの『古武術で毎日がラクラク!』

八月の朝日新聞の文芸時評の切抜きを読む。加藤典洋が、「非母語のひろがり」と題して、イーユン・リー、笙野頼子、荻野アンナ、津村記久子らの作品に注目している。母国の文学世界は、低調である、という。 荻野アンナの『古武術で毎日がラクラク!』(祥伝…

「新・話の泉」を聴く

NHKラジオの番組「新・話の泉」を途中から聴く。 今夜の出演は、立川談志、山藤章二、毒蝮三太夫、嵐山光三郎、松尾貴史の五名で、司会は渡邊あゆみアナウンサー。 「カラオケで、困りますのは、断りきれないときの、皆様は、隠し玉は何を出されますか?」と…

ロイス・エイラトの『あかいはっぱ きいろいはっぱ』

「着物柄に見る戦争」展を、いづゝや2Fギャラリーで観る。 日清戦争や日露戦争から敗戦まで作られてきたが、敗戦とともに忘れられた「戦争柄」着物の実物が40点ほど展示されていた。 乾淑子編『図説着物柄にみる戦争』(インパクト出版会)に紹介された着…

映画『天然コケッコー』とアオハナムグリ

早朝、ゴーヤの実を見ている時に、ハナムグリを捕まえた。親指と人差し指で摘んでいると、力強く手足を動かして逃れようとする。 なかなか力の強い昆虫だ。摘んでいると、もぞもぞと暴れる。 そっと、鳴門金時のサツマイモの葉の上に置いてやると、じきに飛…

ステルンの『野生の樹木園』のこと

今夜のラジオ深夜便は、明石 勇アナウンサーの担当日である。ないとガイド「読書で豊かに」を聴いた。 今月のゲストは小池昌代さんや青山南さんではなく、詩人の阿部日奈子さんだった。阿部さんの紹介する本は三冊。 最初の一冊は、梶山季之の『族譜・李朝残…

虫売のかごとがましき朝寝哉

街路樹にザクロの実が鈴なりだった。 日中は最高気温が三十四度で南風が吹く。 夜半になって、虫の音(ね)が聞こえて来た。コオロギかな。 参照:「コオロギの鳴き声」http://www.nat-museum.sanda.hyogo.jp/wave/wav_korogi.html うーむ。どうやら、この鳴…

雲の峰に肘する酒呑童子かな

八月二十三日は二十四節気のひとつ処暑である。 暑さが徐々にしのぎやすくなる時期のことらしいが、日中は日差しも強く暑い。 入道雲が遠くに並んで眺められた。 蕪村の句に、 雲の峰に肘(ひじ)する酒呑童子(しゅてんどうじ)かな 安永六年の句である。丹…

上弦の月を眺める

昨日のNHKラジオの「あさいちばん」で、「中山間地を守る社会的意味は」と題した短い放送で、内山節氏の話を聴いた。聞き手は木村知義アナウンサー。 「たとえば、棚田でもそうですけれども、生産効率から言うと棚田っていうのは、決してそんなにいい場所で…

朝がほや一輪深き渕のいろ

早朝、アサガオが白、青と咲く。花は今が盛りである。日中にはしおれてしまう。 蕪村の句に、「朝がほや一輪深き渕のいろ」。明和五年七月四日の句である。 NHKテレビの「新日曜美術館」で「パルマ もうひとつのルネサンス」を観る。六月に放送された番組の…

「編集装丁家」田村義也氏

昨夜も熱帯夜だったが、テレビで京都の五山送り火を生中継している番組を、途中から観た。ゲストに山折哲雄が出演。 蕪村に、大文字の送り火を詠んだ句がある。 十六日の夕、加茂河の辺(ほと)りにあそぶ 大文字やあふみの空もたゞならね 今朝のまだ涼しい…

野尻抱影の『星の神話・伝説』のこと

連日の熱帯夜である。午前四時ごろ夜空を見上げる。 北の夜空に向かい、天頂付近にWの文字を逆にした形のカシオペヤ座が見られた。 付近は天の川で、星団が多い。星が密集しているのだった。地上では、まだ虫の鳴き声は聞こえて来ない。 星を眺めていると暑…

『夜中の乾杯』を木陰で

昨夜も熱帯夜。明け方は涼しくなるが、日中、気温がぐんぐん上がり、三十五度を越えた。 日中は空の青さが濃い。なんとなく秋を感じさせる空だ。 街路樹のクスノキ、ケヤキからアブラゼミの鳴き声が聞こえて来る。木陰のベンチで、携行していた飲料を飲む。…

横井也有の句のこと

夜が明けて、雲ひとつない青空である。猛暑の昼間を避けて、早朝に墓参りに出かける。道中に、青いアサガオに包まれた生垣の家があった。青空のような色のアサガオである。 途中、お店で「ホトケさんのお花」を買う。 佛への土産できたる花野かな 也有 多田…

多田道太郎の『新選俳句歳時記』のこと

夜が明け、しばらくすると蝉が鳴き始める。猛暑の一日が始まった。 橋を渡っているとき、竹の篊(ひび)のそばにコサギがいた。 公園の池に寄り道すると、咲いて散りかけのハスがあり、花托(かたく)が姿を現わしているのだった。まだ小さいけれども・・・…

ゆうがほに秋風そよぐみそぎ川

八日は二十四節気のひとつ、立秋だった。早朝の四時半ごろ東北東の空に月が昇っていた。 今日もうだるような暑さである。通りに植えられた夾竹桃が今を盛りに咲いていて、赤や白の花を付けているのが見られる。蕪村の句に、 ゆうがほに秋風そよぐみそぎ川 「…