2009-01-01から1年間の記事一覧

役に立たないこと

通りにあるカンナが、強い日差しに映えるように鮮やかである。 夜半、東の空に木星が昇って来ている。晴れているので観望に最適だ。 カンナ科の多年草。高さ一〜二メートル。葉は広楕円形で、下部は鞘(さや)になる。夏から秋にかけて紅・黄・白色などの大…

ブルーと白い楕円

午前6時20分ごろ、下弦の月が南中していた。高度は85度くらいで、ほぼ天頂近くに月が眺められた。 明けの明星は確認できず。早朝の爽やかな風に吹かれ、青空に浮かぶ白い月を観望する。 夕方、書店に寄ると、発売予定日から何度も足を運んで探していた…

グル・ダット監督の『紙の花』

「アジア映画の巨匠たち」という特集が12日から映像文化ライブラリーで始まっている。 13日のグル・ダット監督の映画『紙の花』(1959年、インド、148分、白黒)を観た。観客は15人ほど。 インド初のシネマ・スコープ作品である。映画館やパー…

「怠惰への讃歌」と「無用」の知識

イネ科のエノコログサが群生している。その中のひとつに蝶がいた。 調べるとヤマトシジミのようだ。大きさは2センチほどの蝶である。 イネ科の一年草。路傍や空き地の至る所にみられ、高さ四〇〜七〇センチ。葉は細長く、先がとがる。夏、茎の頂に円柱状の…

雁木とフジツボ

8月7日は、二十四節気のひとつ立秋。熱帯夜がつづくので、まだ秋という気がしないのだが・・。 昨日は満月で午後八時ごろには、東の空に低く昇って来ていた。 春の一日、夕方の日没を見ながら、島の港にある雁木(がんぎ)に座って弁当を食べたことがあっ…

笑福亭仁鶴を聴く4

夜、すみよしさんが住吉祭をやっていたので橋から漕ぎ伝馬船を眺める。 橋は交通が止められていて、人々がそぞろ歩きで一杯だ。 境内に舞台が造られて神楽を舞っている。群がって神楽を見たり、並んでいる夜店の間を歩く人で混雑している。 蕪村の句に、「涼…

桂文我を聴く4

久しぶりに公園の池に寄ると、ナツアカネがハスの枯れた茎にしがみ付くように止まっている。からだ全体が赤い。人差し指を、ぐるぐる回してみました。トンボは大きな目玉を指の方へ向けました。二、三センチほどに指を近づけても、じっとしている。 老舗書店…

バートランド・ラッセルの「怠惰への讃歌」

8月の平凡社の新刊でバートランド・ラッセルの『怠惰への讃歌』が復刊されるようだ。 平凡社ライブラリー676になる予定で、翻訳者が柿村峻、堀秀彦となっている。 ということは、角川文庫の『怠惰への讃歌』がそのまま復刊されるということだろう。 今回…

「楽園創造」

19時ごろに太陽が沈む。20時ごろに月が南中した。高度は40度ほど。 雲間の晴れた中に上弦の月が眺められたのは嬉しい。長雨で月も星も見ることが出来なかったのだ。 長雨で野菜の生育にも影響が出ている。百日紅(さるすべり)の花が美しい。 今月の平…

ヤスミン・アハマドさんのこと

今朝の朝日新聞の4面の国際面の左下に、《「ヤスミン・アハマドさん(マレーシアの映画監督)国営ベルナマ通信によると、25日、クアラルンプールの病院で脳出血のため死去。51歳。》という訃報に吃驚する。 昨年(2008年)の1月、マレーシア映画特…

笑福亭仁鶴を聴く3

昨夜の九時ごろから豪雨になる。今日の未明過ぎまで降り、雷鳴も聞こえた。 今日は、終日、曇り空であった。 夜、ドーン、ドーンと音の響いてくる花火大会を遠くからだが、懐手して見物する。 午後8時から9時まで闇のスクリーンに花火が上がる。梅雨空に色…

笑福亭仁鶴を聴く2

七月二十三日は二十四節気のひとつ大暑で、一年のうちでもっとも暑さの厳しい頃である。 通りのあちこちから蝉の鳴き声がする。桜の樹にアブラゼミがとまって鳴いていた。 蕪村の句に、「半日の閑(かん)を榎(えのき)やせみの声」。明和三年六月二日の句…

笑福亭仁鶴を聴く

川を渡っていると、夕方のオレンジ色の太陽に照らされて輝くアオサギがいた。 午前の部分日食の時は曇り空で、それでも日食の間は少しばかり空か暗くなった気がした。 夜、CD『上方落語特選 笑福亭仁鶴 第四集 不動坊・延陽伯』から、「不動坊」と「延陽伯」…

「日曜美術館」で与謝蕪村

南からの湿った風が吹き、湿度が高い。蝉が鳴く。気温も30度を越えて蒸し暑い。梅雨はまだ明けず。 夜、NHK教育テレビの「日曜美術館」で「与謝蕪村 響きあう絵と詩」と題した番組を観る。 俳画を通して蕪村の世界を味わう。蕪村と池大雅との「十便十宜帖」…

『わが幼少時代のポルト』

「ポルトガルの巨匠 マノエル・ド・オリヴェイラ監督特集」から映画『わが幼少時代のポルト』(2001年、ポルトガル=フランス、61分、カラー)を映像文化ライブラリーで、観客は15人ほど。 原題はPORT DA MINHA INFANCIA。 監督の生れ故郷であるポル…

オリヴェイラ監督『家路』

「ポルトガルの巨匠 マノエル・ド・オリヴェイラ監督特集」から、『家路』(2001年、ポルトガル=フランス、90分、カラー)を観る。映像文化ライブラリーで。 原題はJE RENTRE A LA MAISON。観客は25人ほど。 冒頭、老いた王を演じている芝居が舞台…

『クレーヴの奥方』

「ポルトガルの巨匠 マノエル・ド・オリヴェイラ監督特集」が7月15日から映像文化ライブラリーで開催されている。6本が上映される。 初日、『クレーヴの奥方』(1999年、ポルトガル=フランス=スペイン、107分、カラー)を観た。観客は20人ほ…

「古本屋巡りの楽しみ」

街路樹のザクロが実をつけている。ほんのり色づく。 昨夜、NHKのラジオ深夜便で、人生“私”流「古本屋巡りの楽しみ」と題して池谷伊佐夫氏が出演。 柴田祐規子アナウンサーの担当日である。 池谷さんの描かれる古本屋のイラストをめぐっての談話が興味深い。 …

水晶の山路ふけ行清水かな

夕方、公園の池でハスの葉にクロイトトンボを見つけた。 青い紋の色が透明感があり宝石のようだ。 蕪村の句に、「水晶の山路(やまぢ)ふけ行(ゆく)清水かな」。明和五年五月十六日の句である。 老舗書店に寄る。PR誌『図書』2009年7月号、店員に尋ね…

「新・話の泉」を聴く

七月七日は二十四節気のひとつ小暑である。そして、五節句のひとつ七夕であるが、今年も曇り空で星と満月は見られず。 二十四節気の一。七月七日ごろ。このころから暑気が強くなる。 『大辞泉』 夜、NHKラジオの番組「新・話の泉」を途中から聴いた。 出演は…

映画『それでも恋するバルセロナ』

ウディ・アレン脚本・監督の映画『それでも恋するバルセロナ』(2008年、米・スペイン、96分、カラー、ヴィスタ)を観る。サロンシネマ2で。 原題はVicky Cristina Barcelona。 ヴィッキー(レベッカ・ホール)とクリスティーナ(スカーレット・ヨハ…

半夏生(はんげしょう)

七月二日は、雑節のひとつ半夏生(はんげしょう)である。 つるなしいんげんの苗を植える。 午後八時頃、月が南の曇り空にぼんやりと眺められた。 蕪村の句に、「こもり居て雨うたがふや蝸牛(かたつぶり)」。 とぼけた味わいがある句だ。 太陽が黄経一〇〇…

西川美和監督の映画『ディア・ドクター』

夜明け(といっても雷雨で暗い)前に雷鳴が聞こえた。梅雨前線が南から北へと通過した。 通過した後の停滞で一日中降ったり止んだりの梅雨空である。 夕方、雨も止んでいた。飲み物と食べ物などを買ってシネツイン本通りへ急ぐ。 館内の壁に貼ってある『ディ…

岸根行(きしねゆく)帆はおそろしき若葉かな

街路樹のナツメの実が大きくなっていた。 つい先日、六ミリほどの花が咲いていたが、目立たない黄緑色の花であった。果実はまだ緑色で葉の色と同じだ。十五ミリほどの大きさ。保護色であまりで目立たない。 赤褐色に熟すと遠くからでもきわだって分かる。 ク…

笑福亭仁鶴「七度狐」と「三十石」

梅雨の中休み。晴れる。気温が上がって暑い。 先日、池の蓮の葉にクロイトトンボを見つけた。今年、初めて見る。体長は三センチほどで、小さく細いトンボ。 蕪村の句に、「みじか夜や伏見の戸ぼそ淀の窓」。*1 CD『上方落語特選 笑福亭仁鶴 第二集 七度狐/…

桂文我を聴く3

午後からも降ったり止んだり晴れ間も見える。夕方から本降りになった。 前線が通過しているのか、テント地の屋根のようなものがある場所で雨宿りする。 何人ものひとが集まってただ呆然と風と雨の降り続ける街路を見つめている。 スウェーデンのロイ・アンダ…

桂文我を聴く2

明日は二十四節気のひとつ夏至である。 夜が短い。午前四時頃に夜が明ける。 三時頃、東の空で月と金星、火星が接近して並ぶということだが、眠っていて見られず。 朝の光にサクランボが鮮やかだ。色つやが見事である。 CD『おやこ寄席ライブ4 桂文我』で「…

桂文我を聴く

街路樹のネムノキが満開になっている。 山形のサクランボが美味しく食べごろである。 昨夜、NHKテレビの番組「歴史秘話ヒストリア」を観た。 「絶望するな ダザイがいる」というタイトルで、今週は太宰治「人間失格」誕生秘話だった。 先日のラジオ番組「新…

みじか夜や浅瀬にのこる月一片

園芸店でキュウリの苗を買う。 蕪村の句に、「みじか夜や浅瀬にのこる月一片(いつぺん)」。 安永四年四月十二日の句である。 日の出が五時前で、日没は午後七時を過ぎてからになる。まだ明るい夕方、公園の池に寄る。 大きなトンボがやって来た。オニヤン…

ムナーリの機械

梅雨入り後、雨らしい雨は降らず、高温多湿の天気がつづく。 月初めに意外な絵本が出ていたのを手にして開いて見た。ブルーノ・ムナーリ著『ムナーリの機械』(中山エツコ訳)で、河出書房新社から復刊されていた。 以前出ていた本は、タイトルを「ナンセン…